人事、組織コンサルティングを手掛けるマーサー社の日本法人であるマーサージャパンは12月3日、日系企業の報酬に関する調査結果を発表した。調査には日系企業、外資系企業を合わせて679社が参加。日系企業は過去最高となる105社が参加した。
調査によると、日系企業の従業員層に当たる「スタッフ」の平均年収は約484万円で、15年から8%上昇した。「課長」の平均は約932万円。外資系企業では約1208万円と、課長職でも“大台”の1000万円を超えるようだ。
「部長」の平均年収をみると、日系企業は約1293万円に対し、外資系企業は約1816万円。課長以下と比較して、差が大きくなっている。さらに「経営幹部」となると、日系企業の平均が約2114万円なのに対して外資系企業では約3350万円と、1000万円以上も差が開く形になった。15年から19年にかけての伸び率を見ると、外資系企業では役職が上がるごとに伸び率が高まっている一方、日系企業では役職ごとの伸び率の差がほとんどなかった。
今回の結果について、マーサージャパンプロダクト・ソリューションズリワーズ報酬サーベイ総責任者プリンシパルの児玉由美子氏は「日本において、これからますます激化する人材獲得競争を制するために、企業は報酬水準が競争力を有しているのはもちろんのこと、既存の従業員を引き止め、魅力的な報酬を伝えて行くために、現行報酬の根拠を示し透明性を確保することも求められるようになるでしょう」とコメントしている。
調査は、マーサー総報酬サーベイ(Total Remuneration Survey)と称し、マーサー社が30年以上実施しているもの。世界129カ国、ならびに中国19都市で行い、3万2000社、1300万人以上の従業員、管理職や役職者が対象となっている。
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