新型コロナウイルス騒動は、新卒就活にも大きな影響を及ぼしている。リクナビ、マイナビなど就活支援サービス大手は相次いで3月の合同企業説明会を中止すると発表。大企業もこぞって合同説明会や面接を中止し、Web上で代替する方策を打ち出してきている。
海外にいる留学生や外国人採用向けなど、HRテックの一種として既にある程度使われてきたWeb面接やオンラインの説明会。しかし、これまで日本企業では、やはり「直接会って人柄をみる」採用文化が一般的だったと言える。感染症予防という外的要因によって、急激に進むかにも見える新卒採用のオンライン化は、就活市場をどう変えるのか。
若者向けの就活支援を手掛けるジェイックは、2月27日〜3月2日に掛けて自社サイトに登録している就活生251人にアンケートを実施。「就職活動でWeb面接の利用経験はあるか」の質問に、「ある」「予約している」と答えた学生は計約39%に上った。Web説明会についても、同様の回答は計約90%という結果に。特に大人数が集まる説明会において、新型コロナ対策でオンライン化が進んでいることが浮き彫りになった。
同様に新卒就活支援事業を手掛けるベネッセとパーソルキャリアの合弁会社、ベネッセi-キャリア(東京・新宿)取締役で新卒事業部長の大竹航さんも、数千社ある同社の顧客企業のうち「4〜5割程度が、Web面接・説明会への変更を進めている印象だ」と打ち明ける。
「そもそも今年は東京五輪の影響で交通機関がマヒする懸念などから、オンライン面接を検討している企業は(新型コロナ騒動前から)多かった」(大竹さん)。一方で、商社や飲食・小売りといった対面を重視する業界では、さほどオンライン化が進んでいない傾向にある、という。
ただ、「やむにやまれぬ事情」で展開されつつある今回の就活オンライン化が、果たして学生や企業から歓迎され、定着するかは未知数だ。
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