はた迷惑な武勇伝 椎名林檎や森喜朗が理解できないコト(1/3 ページ)

» 2020年03月06日 10時10分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。


 コロナ対応で国民が息を潜めた生活を強いられる中、歌手の椎名林檎さんのバンドコンサートが開かれました。オリンピック組織委員長の森元総理は「マスクをしないでがんばる」とのこと。「社員やスタッフのマスク姿はお客様に失礼」などとトンチンカン過ぎる指示を出す某ファストフード。芸能人や政治家、経営者の無知が今回ほど罪深いものはありません。

ロック魂と老害

 東日本震災後の自粛ムードは国民を萎縮させ、何をやっても不謹慎といわれる騒動も引き起こしました。今回のコロナも国民全員が今は息を殺して生きる生活を強いられています。家に閉じこもっての生活に滅入るのは誰も同じ。

 そんな世間に背を向けてロックコンサートを開くのは、世間の流れに乗らないロック魂なのでしょうか? 何でも自粛すれば良い訳ではなく、こんな時こそ普段と変わらない日常生活を続けるべきという姿勢でしょうか。「破天荒キャラ」の芸人さんがいますが、それは破天荒を気取っていても結局ヘタレというオチに持って行ける頭脳があって成り立っています。今の時期のイベント強行は破天荒なのではなく、単なる蔓延促進という迷惑行為です。

 森元総理はオリンピック組織委員長として、コロナへの注意喚起をした発言の中で「私は最期までマスクをしないでがんばる」発言をしました。首相時代から不用意な発言で有名な森氏だけに、トンチンカンな発言は医学的根拠の無い妄言であると国際的にも批判を呼びました。

 ここであげつらった方々は事態の本質を全く理解していない行動や発言として批判を浴びたのです。見当違いのロック魂と老害と呼ばれても仕方ないのではないでしょうか。震災後のような活動自粛やマスク着用は自分を守るためではありません。パンデミック阻止や少しでもピークアウトを遅らせるための「自分以外の人を守るため」のものです。それを理解していないとしか思えない行動ゆえに大きな批判を呼んでいます。

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