フマキラーがこのほど、新型コロナウイルスを巡る一部報道に対する「見解」を発表し、話題を呼んでいる。3月9日に「『キッチン用エタノール』報道に対する当社見解」と題するメッセージを発表。一部報道で「キッチン用エタノールはアルコール濃度が50%前後のものが多く、コロナウイルスへの効果が科学的に証明されていない」といった表現がなされていることに言及した。
フマキラーではいくつかの除菌用商品を販売している。そのうち「フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー」「アルコール除菌プレミアム ウイルシャット」「ウイルシャット ノンアルコール除菌プレミアム」の3点で、新型コロナウイルスと同じ構造を持つ「ネコ腸コロナウイルス」へのウイルス不活化試験を実施。試験の結果、ウイルスを99.9%以上除去する効果を確認したと発表している。試験は外部機関(北里環境科学センター)で実施した。
フマキラーの担当者によると、ウイルスの感染力を失わせる「不活化」にはアルコールだけでなく、グレープフルーツ種子由来の成分なども有効だという。にもかかわらず、アルコールだけにフォーカスして、キッチン用エタノールがコロナウイルスに対して効果がないような印象を与える報道があることを問題視した形。
また、一連の報道では、キッチン用エタノールを製造するフマキラーへの事前取材を行わず、一部有識者の見解から全てのキッチン用エタノールに効果がないような表現したことについても問題視している。
報道を受け、フマキラーへ多数のクレームが届いていることから「強い憤り」「誠に遺憾」「一方的な情報を発信したことの責任は極めて重大であると考えており、決して見過ごすことはできません」という、非常に強いトーンでの発表となった。フマキラーは「上記の試験データの提供を含め、当社はいつでも取材に応じる用意があり、ウイルス対策の有益な情報・手段として、広く社会にお役立て頂きたい」としている。
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