求職者があなたの会社を知り、実際にアプローチするまでにはいくつかの段階を経ることになる。具体的には「求人広告を見る」「インターネットで調べる」「会社説明会やセミナーに参加する」「企業訪問する」「面接を受ける」「内定を得て、入社を待つ」といった流れになるわけだが、その段階別に、求職者目線から「ブラック企業認定ポイント」を検証していき、企業が知らず知らずのうちに「ブラック企業」と思われないような対策を講じるヒントにしてほしい。
前回は、良かれと思って工夫した宣伝文句が、受け手にはネガティブに捉えられ、全くの逆効果になってしまうポイントを列挙した。今回は、求職者と企業が直接かかわる、「会社説明会」や「会社訪問」でのチェックポイントを紹介していく。
【前回】美辞麗句で求職者は騙せない! アピールのはずが「ブラック企業かも」と思われてしまう求人広告の特徴
そもそも、会社説明会やセミナーが「入社希望者に良い印象を持ってもらい、志望度を高めるため」におこなわれるものである以上、その場でネガティブな情報が開示されることは基本的にあり得ない。むしろブラック企業であるほど、説明会やセミナーで好印象を与え、求職者に一抹の疑問も持たせずにその後の選考へとスムースに進んでもらうことが大事になってくる。
また、「イケてる社員を説明会に出す」というのが、採用マーケティング手法として常識である。セミナーや説明会は、選考の場であると同時に「広報イベント」だ。どんな会社であろうと、自社で最も活躍していて、外見も人柄もいい人物を「代表選手」として出してくる。場合によっては、説明会要員として専門のプレゼンターを外部から確保して臨む企業もあるくらいだ。
しかし、多くの求職者は、そのような「好印象演出」に慣れている。従って、何かしらツメの甘さが露呈するような、もしくは配慮が足りない点が垣間見えてしまうような「小さな違和感」がかえって目立つことになり、結果的に彼らの心象を大きく左右するといっても過言ではない。では企業は、求職者にネガティブな印象を抱かれないようにするために、どんな点に留意すればよいのだろうか。
具体的には、次の通りだ。
好印象を抱かせることが大前提の説明会において、ネガティブな印象を抱かせてしまう可能性が存在すること自体がそもそも問題なのだが、それに気付かない、もしくは改善できない組織の問題であるとも敷衍(ふえん)できる。
例えば、「高飛車、威圧的な印象」は、その会社の社風や人間関係の縮図であると考えられるし、求職者に対して明らかに配慮が足りない。さらに、それが問題だと指摘できる人がいない、というマネジメントの問題につながる。「社員が疲れている印象」ならば、ハードワークや、人間関係などの問題が顕在化したというわけだ。「至らない状態」が求職者の目に触れる前に、問題への対処をする必要があろう。
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