求職者があなたの会社を知り、実際にアプローチするまでにはいくつかの段階を経ることになる。具体的には「求人広告を見る」「インターネットで調べる」「会社説明会やセミナーに参加する」「企業訪問する」「面接を受ける」「内定を得て、入社を待つ」といった流れになるわけだが、その段階別に、求職者目線から「ブラック企業認定ポイント」を検証していき、企業が知らず知らずのうちに「ブラック企業」と思われないような対策を講じるヒントにしてほしい
良かれと思って工夫した宣伝文句が、受け手にはネガティブに捉えられ、全くの逆効果になってしまうことがある。「ブラック企業の求人広告」などその最たるものだろう。ブラック企業はその劣悪な労働環境ゆえに慢性的に人手不足であり、人材確保のために常に必死だ。当然「われわれはブラック企業だ」などと正直なことは言わず、いかにも楽しそうな雰囲気がただよう写真と美辞麗句で求職者の興味をひきつける。例えば、求人サイトでこのようなキャッチコピーを見かけたことはないだろうか。
「幹部候補募集!」「未経験者歓迎!」「20代中心の若い会社!」「あなたの頑張りを評価します!」「アットホームな職場です!」
多少の経験や実績が不足していても、この会社であれば伸びしろを評価してくれ、楽しく働けそうな気がしてくる。もちろん、本当にそんな会社もあるのかもしれないが、残念ながら大多数は「十分な労働環境を提供できない会社が、現状をオブラートに包んでうまく言い換えた、『強引ポジティブPR』」にすぎないのだ。上記コピーは実際のところ、この程度であることがほとんどである。
「幹部候補募集!」 →普通の社員募集。今後幹部になる可能性はあります
「未経験者歓迎!」 →誰でもできる、スキルにならない仕事です
「20代中心の若い会社!」 →離職率が高く、マネジメントも未熟です
「あなたの頑張りを評価します!」 →基本給が安く、歩合給メインです
「アットホームな職場です!」 →他にアピールできる材料がありません
確かに「ウソ」ではないのだが、少々「盛り過ぎ」というところだろう。筆者は仕事柄、そうやって巧妙に仕組まれたワナにかかってうっかりとブラック企業に入社してしまい、深く後悔している人を大勢見てきた。
本稿では、一見魅力的に見えるキャッチコピーの「読まれ方」をお伝えし、企業側に対して「良かれと思って、知らないうちに『ブラック認定されるリスクのある危険なキャッチコピー』を使わないためのチェックポイント」をお伝えしていきたい。
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