2月上旬、「残業好き」の人たちにとって働き方改革とは何なのか?――という記事を書いたところ、Twitterのトレンドに入るほどの反響があった。記事へのアクセス数はたった1日で95万を超えた。SNS分析ツールの結果を引用し、解説する記事まで出た。その記事によると、80%以上の人がネガティブな反応を示したようだ。
「残業好きなどいない」だの「残業好きだなんて狂気の沙汰」といった過激な意見も飛び交った。まるで「残業好き」が「虐待が好き」とか「新型コロナウイルスが好き」と言っているかのようなたたかれっぷりだ。多様な「働き方」を受け入れるべき時代なのに、ここまでの拒絶反応をされるとは想定外である。
仕事の概念が多様化しているのに、残業の概念はまだ画一化しているように思える。
「残業」というと、心身ともに疲弊して遅くまで仕事することをイメージする人も多いと思う。しかし、残されて業務をすることが「残業」でもあるし、仕事が面白いと思って自ら残ってする業務も「残業」だ。
それにしても、これほどの拒絶反応が出たということで、よほど「悪い残業」をしている人と、させている企業が存在するということだと思う。だから、今回は残業にはどんな種類があって、果たして「良い残業」というものがあるのか。それとも残業は全て「悪い」のかを考えてみたいと思う。
まず、「悪い残業」を考えてみよう。意味のない残業や、残業ありきでビジネスモデルが設計されているような組織の残業は、「悪い残業」と認定していいだろう。こうした残業をしている(させている)組織は、「レッド組織(恐怖支配)」、あるいは「アンバー組織(軍隊組織)」だといえる。
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