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「デスクでランチ」が多い会社はブラック企業!? そこかしこに潜む、「ブラック企業認定」のリスク連載・あなたの会社は大丈夫? 求職者に「ブラック企業」と思われないために(2/4 ページ)

» 2020年03月10日 05時00分 公開
[新田龍ITmedia]

求職者への対応が不親切/丁寧でない →人に対して配慮がない組織風土であることを露呈する

 あなたの会社に集まる求職者も、たまたまその日は「選考対象者」だが、いずれは何らかの形で「従業員」「お客さま」もしくは「取引先」になるかもしれない。にもかかわらず、「採用してやる」というような傲慢(ごうまん)な態度や、「問い合わせへの対応が雑」「メール返信が遅い」「案内が分かりにくい」といった、誠意が感じられない扱いを求職者にしてしまう会社がある。こんな対応をしていると「入社後はこんな雑な扱われ方をするんだろうな」「この会社、顧客にさえ配慮がないんだろうな……」と見透かされることになるだろう。

選考に進むことを強く促す →応募希望者が少ない、辞退者が多い可能性を察知させる

 もしあなたの会社が、説明会やセミナーの終了後、求職者の意向を確認しないまま面接や試験を行ったり、書類提出を強要、もしくは「そうしなければならなそうな雰囲気」に包み込んだりしているならば要注意だ。

受験の強制はNG(出所:ゲッティイメージズ)

 長時間労働、低賃金、高プレッシャーなど、ブラック要素が多い組織ほど辞退者や離職者は多いため、それを見越して採用人数も必然的に多くなるであろうことは求職者にも想像がつく。求職者の意向を無視した選考ラインへの参加催促は、「何だかやけに焦っている」と感じさせ、そして「この会社、そこまで人手不足な理由があるのかな」と不安にさせるばかりでなく、「応募に当たって、じっくり調べられたらまずい理由があるのか?」と勘繰られる可能性さえある。無理やり選考にいざなうのではなく、余裕をもって臨みたいところだ。

あいまいな表現をする ⇒きちんと説明できない、何か裏の理由があると思わせる

 事業概要にせよ業務内容にせよ、会社側からの説明や質問への回答に関しては、具体的かつ明瞭にできなければならない。逆を言えば、抽象的な表現には「求職者の疑問に答えよう」とする誠意がないし、何かしらキッチリと説明できない事情があるのではと不安にさせてしまうのだ。例として以下のやりとりをご覧頂ければ、その差は明らかであろう。

質問:「残業はありますか?」

良い回答:「ありますが、大体夜の8時にはオフィスに人が全くいなくなるレベルです」

良くない(あいまいな)回答:「時期にもよりますが、少ない方だと思います」


 後者の場合、「時期」というのが年間どれくらい発生するペースなのか。半年に1回程度なのか、ほぼ毎日なのか。また、「少ない方」というのも、何を基準に言っているのか不明だ。あいまいにせず、積極的に情報開示すべきなのである。同様に

質問:「休みは取りやすいですか?」

良い回答:「はい。土日は完全に会社が閉まってますし、有休取得率も100%です」

良くない(あいまいな)回答:「取りやすい方ですよ。自主的に土日出勤している人はいますが」


 後者の場合、ほぼ全員が土日に出勤しているなら「自主的に」休むことは実際難しくなる。いずれにせよ、質問に対しては明確に、かつ極力具体的な情報をもって説明すべきである。

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