なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2020年03月17日 05時00分 公開

食の流行をたどる:飲んだ後のシメが「パフェ」や「ステーキ」!? 独自すぎる地域のシメグルメ、そのビジネスチャンスを探る (2/4)

[有木 真理,ITmedia]

ラーメンだけじゃないシメの麺料理

 また、全国各地の“シメ麺”もバラエティ豊かである。

 ラーメン店よりうどん店の方が多いともいわれ、「うどん県」を名乗る讃岐うどんの聖地・香川県。ここでは、シメはうどんというケースが多いようだ。

 宮崎県では、初めて食べると「湯がき過ぎ!?」と思う程やわらかい細麺うどんを、生卵を落とした甘辛い汁で食べる。この柔らかい麺は消化によいため、胃にやさしく、胃もたれしにくいように感じる。また、宮崎にはもう一つ、名物のシメ麺が存在する。前述した胃にやさしいうどんとは真逆に刺激的な1杯。“辛麺(からめん)”である。マイルドな辛さから刺激的な辛さまで、辛味はバラエティ豊かである。そば粉と小麦粉を使ったまるでこんにゃく麺のような歯ごたえのある麺に、にんにくを効かせたスープで頂く辛麺。深夜には行列ができるお店も存在するほどだ。カプサイシンの発汗効果もあり、シメをいただく罪悪感を若干消すことができるかもしれない。

 そして、名古屋といえば台湾ラーメン。名古屋には、台湾ラーメンを提供するお店が200軒以上あるという指摘もある。

宮崎のシメグルメ「辛麺(からめん)」(出所:元祖辛麺屋桝元 本部公式Webサイト)

あっと驚くシメグルメ

 このように、全国各地でラーメンを中心としたシメ麺が話題となっているが、そのほかにもあっと驚くシメグルメがあるのでご紹介したい。

 まずは、初級編である。

 札幌のシメグルメといえば“シメパフェ”だ。筆者も4年ほど前、札幌で初めて体験した。“シメパフェ専門店”には夜な夜な行列ができており、中に入ると若い女性を中心に、全員がパフェをほおばっている。「飲んだ後の2軒目は、バーではないのか?」「カラオケではないのか?」――そんなふうに驚いたものである。

 それにしても、なぜ、寒い北海道でパフェなのか? 生乳の生産が日本一である北海道。アイスクリームの消費量に影響があるのか? 調査をしてみた。

 総務省「家計調査」の調査(2016〜18年平均)によると、札幌市のアイスクリーム・シャーベットの消費額は、全国の県庁所在地や政令指定都市の中で30位。必ずしも多いといえない。しかし、さらに調査を進めると、面白いデータを発見した。

 一般社団法人日本アイスクリーム協会が「アイスクリーム白書」で「気温とスイーツ、飲み物の志向」について調査していた。濃厚な味のアイスクリームは、15度くらいの時に食べたくなると回答したカスタマーが44.2%と多かった。一方、35度くらいになると24.6%と20ポイント近くダウンするのだ。気温が低いほど、濃厚なスイーツを求める傾向にあるようだ。

 また「アイスクリームが食べたくなる季節・気候・環境」について調査したデータによると、外が寒くても暖房の効いた室内でアイスが食べたくなると答えているカスタマーが69%もいるのだ。いわゆる「こたつでアイス」的なニーズであろうか。

 この調査を見れば、パフェのような濃厚なスイーツが北海道で人気となるのもうなずける。ちなみに先ほどの家計調査によると、アイスの消費量が最も少ないのは那覇市。あまりにも気温が高いと、炭酸飲料などさっぱりしたものや爽快感を求めるようだ。

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