なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2020年03月17日 05時00分 公開

食の流行をたどる:飲んだ後のシメが「パフェ」や「ステーキ」!? 独自すぎる地域のシメグルメ、そのビジネスチャンスを探る (4/4)

[有木 真理,ITmedia]
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なぜ東京進出できるのか

 次に、ご当地グルメが東京進出を果たしたり、全国区で展開されたりするメカニズムを解析する。

 食のブームは、旅先の人気ランキングと親和性が高いと言われる。空前のブームを起こしたタピオカ。こちらは台湾ブームがその背景にあると分析されている。海外旅行に関する調査研究機関「エイビーロード・リサーチ・センター」の調査(2018年に海外旅行に行った日本人男女5398人を対象に実施)では、「行った・行きたい渡航先」ランキングにおいて5年連続で1位を獲得している。

 北海道は、旅行情報サービス『じゃらん』の「人気の旅行先ランキング」でも常に上位(2019年は1位)に入っている。

 さらに、「旅先で求めるもの」との親和性も重要だ。北海道を旅する人のニーズは「美味しいものを食べたい」。うまいものを求め、食べ歩きした結果、ご当地グルメに出会い、旅を終えても「また食べたい!」となるのだ。

ビジネスチャンスにつなげるには?

 このように、シメグルメマーケットは、消費者の2軒目、3軒目の利用を促し、消費拡大につながる。飲食店にとってピークタイムを外した時間の集客にもなり、大変美味しいマーケットである。そのマーケットを獲得し、ビジネスチャンスにつなげるための3つのポイントを、整理したいと思う。

1、その地域の文化、習慣に沿ったストーリー性のあるご当地シメをつくる

2、一点特化

3、話題性、ギャップのあるメニュー

 シメグルメを食べるのは、基本的にお酒を飲んだ後となるため、気持ちが大らかになっていることが多いと思われる。“軽いノリ“で「あのお店行ってみる?」と言えるような話題性のあるお店が注目を集めるのではないだろうか?

 今後のシメグルメの進化について、個人的な見解を最後に述べる。 

 新型コロナウイルスの感染拡大で、今、外食業界は窮地に立たされている。しかし、長期的に見ると、温かい日が多くなり、夜の消費行動は増加するのではないか。また、現在、国内で主流のシメグルメは、日本の食文化に通ずるものが多い。世界のシメグルメマーケットがどのようになっているのかも興味深い。まだまだ将来性のあるシメグルメマーケット。グローバル化するカスタマーを捉えながら、業態開発、商品開発することは重要ではないだろうか? とひそかに考えている。

著者プロフィール

有木 真理(ありき まり)

「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員。1998年、同志社大学を卒業後、外食チェーン店へ。6年間勤務したのちに、フリーのフードコーディネーターに。2003年、リクルートに入社し、『ホットペッパーグルメ』に従事。全国の営業部長を経たのち、2017年、リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めると共に、「ホットペッパーグルメ外食総研」の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成や更なる外食機会の創出を目指す。自身の年間外食回数300回以上。ジャンルは立ち飲み〜高級店まで多岐にわたり、全国の食に詳しい。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがうりで1日5食くらいは平気で食べることができる。食を通じて「人」と「事」をつなげるイベントオーガナイザーも務める。自らが「トレンドウォッチャー」として情報発信を行う。


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