飲んだ後のシメが「パフェ」や「ステーキ」!? 独自すぎる地域のシメグルメ、そのビジネスチャンスを探る食の流行をたどる(1/4 ページ)

» 2020年03月17日 05時00分 公開
[有木 真理ITmedia]

食の流行をたどる:

「レモンサワー」「一人焼き肉」「ギョーザ」「パンケーキ」「かき氷」――毎年のように新たなブームが生まれる。これらのブームの背景を、消費者のライフスタイルの変化や業界構造の変化も含め、複合的に分析していく。


 飲んだ後の「シメ」。ダイエットや健康を考えると罪悪感に苛まれるがやめられない、魅力的なものである。また、飲食店にとっては、2軒目、3軒目の利用につながるだけでなく、ピークタイムを外した時間の集客にもなる。このように、シメは消費額向上につながるアイテムである。

 今回は、昨今の“シメグルメ”事情や、あっと驚くご当地シメグルメについて紹介する。そして、このシメグルメのビジネスチャンスについて述べていきたい。

シメの王道といえばラーメンをイメージするが……

シメのラーメンに地域差

 みなさんはシメと聞いて最初に思い付くのは何であろうか。定番は麺で、特にラーメンが主流だろう。実は、「シメラーメン」には地域差がある。

 博多のラーメンといえば豚骨スープに細麺。さらりとのど越しのいいものとなっている。また“替え玉文化”も、スープが覚めにくい、西日本ならではの特徴だろう。

一方、北海道はどうか。東西に約500キロ、南北に約400キロと大変広く、地域によって気候も異なる。札幌では、濃厚なみそスープによく絡む太麺を使い、濃厚な一杯をじっくり味わうのが主流だ。札幌から約140キロ離れ、真冬には気温がマイナス20度にもなる旭川では、濃厚な魚介スープにラードを浮かべ、スープを冷めにくくしているのが特徴だ。

温暖な九州では屋台でラーメンを食べる

 どこを境目にするのは定かではないが、寒い場所ではみその生産が盛んになるため、やはりみそラーメンが主流になる。仙台では、仙台みそを使用したみそラーメンが主流だそうだ。

 また、シメラーメンを食べる場所にも特徴がある。気候が温暖な九州では外で食べるケースが多く、博多名物の屋台が有名だ。北海道に行けば、ビルの中にラーメン街やのれん街が存在する。

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