アニメフレンズも同様、この影響を受けマンネリ化が続き、低迷していた。そこで17年、「MARU.Division」がアニメフレンズの運営を引き継ぐことになった。
「まずわれわれがやったことは、ファンイベントからの脱却です。ファンが楽しみにしている昔からの作品も大事ですが、ブラジルでファンの皆さんが知らない日本の作品を紹介することも重要だと考えました」(ハゴーニャ氏)
新しい日本のコンテンツとして注目されたのが、初音ミクだ。ハゴーニャ氏はこう続ける。
「ブラジルでは、同じ日本のポップカルチャーファンであっても、世代によって大きな隔たりがあります。30〜40歳代以降の方は『聖闘士星矢』や『ウルトラマン』を知っている人ばかりですが、初音ミクはあまり知られていません。一方、10代や20代といった若い世代の方は、『ウルトラマン』を知らないという人も増えています。ブラジルではこの20年、『ウルトラマン』の作品展開が止まっているためです」
このため、ブラジルでは日本のポップカルチャーファン同士の世代間格差が激しいという。このギャップを埋めるため、ハゴーニャ氏や副社長のジュリアーノ・アテニーリ氏らはアニメフレンズの新たな在り方を模索した。
「ウルトラマンと初音ミクを同じステージに立たせることで、親子2代のポップカルチャーファンの方でも楽しめる工夫をしました。結果、親子で楽しめるイベントになっただけではなく、お互いの好きな文化を分かち合う場がそこで生まれたと考えています」(ハゴーニャ氏)
このように日本のポップカルチャーが地球の裏側でも隆盛を見せる一方で、権利を持つ日本企業側にとってはリスクもある。ファンの主導でイベントが運営されているケースが多いため、しっかりとした海賊版対策がイベント運営側に求められることだ。こうした日本ポップカルチャーのファンイベントは今や世界各地で開催されているものの、発展途上国などでは無許諾でキャラクターのグッズを製造し、イベント会場で堂々と販売しているケースも珍しくない。
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