海賊版が野放図となっているイベントに権利元が公式に出ていくことは難しいため、日本のコンテンツ企業にとっては、そう簡単に海外ファンイベントに進出できない事情があるのだ。
アニメフレンズも、MARU.Divisionが運営を引き継ぐまでは、似たような事情があったようだ。アニメ「機動戦艦ナデシコ」「ゲートキーパーズ」などの主題歌を歌っていることで知られる歌手の松澤由美さんはこう振り返る。
「2006年から何度もゲストとして参加させていただいていますが、初めて参加した当時は海賊版も珍しくなく、学園祭のような雰囲気だったのを覚えています。しかし、今では公式のものが続々と増え、エンターテインメントとして成長しているように思います。日本の状況にたとえれば、コミックマーケット(コミケ)にウルトラマンのフェスや大きなライブステージもあるような感じでしょうか。年々、大きな市場になっているのを実感しています」
アニメフレンズそのものは、どのようなビジネスモデルによって展開しているのだろうか。先述のハゴーニャ氏がこう解説する。
「来場者による入場料収益だけでは正直イベントは成り立ちません。会場でのグッズ販売や、フードコートからの収益もあって成り立っているような状況です。歌手を中心に、日本から毎年多くの方をゲストに招いていますが、この方たちの交通費や滞在費などのコストがどうしても重くのしかかりますね。ただ年々赤字額は減ってきていて、そう遠くないうちに黒字化も視野に入れられると思います」
ウルトラマンや初音ミクといったコンテンツで盛り上がる一方、日本以上に海外ならではの盛り上がりを見せるものもある。コスプレだ。アニメフレンズではコスプレの世界大会「コスプレワールドマスターズ」も開かれている。これはヨーロッパ(欧州)と南米中心に展開されているコスプレの世界大会で、この予選会もアニメフレンズで行われているのだ。
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