ギャンブル系の“遊び方改革”が進展、ネット率が半端ないのは?(1/3 ページ)

» 2020年04月13日 06時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 ここへきて、実施されるスポーツイベントは、ほとんどが無観客となっている。当然、チケット収入もなければ、場内でのグッズ販売のないので、やればやるほど赤字が続くという状態だろう。

 ところが、無観客でも、どっこい踏ん張っているスポーツ(興行?)がある。

 競馬だ。

 中央競馬では、2月29日から無観客でのレースが行われている(場外発売所も閉鎖)が、当初の予測よりも馬券の売上はかなり健闘しているという。

 なかでも、3月30日に行われたG1の高松宮記念は、1レースで売上約127億となり、なんと前年プラスの売り上げだったというから驚きだ。

 ここまでネット販売が普及していたのかと驚くが、競馬場に日夜やってくるおじさんたちもネットで購入しているのかと思えば、中高年のITリテラシーもたいしたものではないか。(ネット投票の初期の登録は、そんなに簡単ではない)

 これは地味なニュースで、さほど注目もされなかったが、そもそも、2019年は、地方競馬が非常に好調な年であった。かつて地方競馬といえば、存続を危ぶまれるような競馬場が多数で、実際、数十億円の売上にまで低迷し、瀕死の状態だった競馬場も少なくなかった。

 そして、2019年度(2019年4月1日〜2020年3月31日)の数字が発表されたのだが、これがまたすごい。

 2019年度、地方競馬全体の売上は7009億円で前年比116.2%。2018年から約1000億円もアップしているのだ。これはすごい。2019年度は不景気と言っている業界がかなり多いなか、全国の地方競馬がすべて昨対を超え、大盛況の状況なのだ。

 中央競馬会も、2019年(こちらは1〜12月の数字)は2兆8817億円で、前年比3.1%増と健闘しており、オグリキャップ時代の全盛期に近づく勢いだ。地方とJRAを合わせた売上総額は約3兆6000億円にも達していて、巨大産業のひとつとなっている。

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