ホリエモンが語る飲食ビジネス「集客成功の法則」――世界のセレブを落とし続けた「インスタマーケティング」の秘密堀江貴文の「スマホ人生戦略」(2/4 ページ)

» 2020年05月18日 11時08分 公開
[堀江 貴文ITmedia]
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「スマホ戦略」奏功したWAGYUMAFIA

 僕が手掛けているWAGYUMAFIAも、スマホ戦略を駆使して、グローバルで成功した例だ(関連記事「ホリエモンプロデュースの「WAGYUMAFIA」 代表・浜田寿人が語る急成長の舞台裏――知られざる挫折、転落、苦悩」を参照)。ビジネスを起ち上げた当初は、いろんな人から、チェーン店展開はどうするんですか? とか、安売りはしないんですか? と、聞かれた。そんなもの最初から、考えていない。町の焼き肉店に通っているような、安くおいしく和牛を食べたい一般のお客さんは、まったく狙っていなかった。

 ターゲットにしていたのは、和牛の価値と魅力をより理解している、海外の富裕層。世界のハイクラスの美食家たちに届くよう、ブランディングに努めた。基本的には会員制で、紙媒体などのオールドメディアでの広告宣伝は行っていない。ぐるなびとか、安易なグルメサイトにも絶対に載せないよう、しっかり現場をコントロールした。

 営業は、InstagramをはじめとしたSNSが中心だ。ポップアップイベントを精力的に行い、英語圏での知名度アップを地道に続け、起ち上げから数年で黒字になった。海外の著名なグルメランキングの上位に選出されたり、東京のWAGYUMAFIAの店にはエド・シーランなど海外セレブの来店も続いている。2019年はラグビーワールドカップの試合の合間に、ニュージーランドほか強豪国のレギュラー選手たちが、来店してくれた。

 サッカー界のスーパースター、デビッド・ベッカムもWAGYUMAFIAのお客さんだ。今年の3月にはベッカムの息子・ブルックリンの21歳の誕生日に、僕のビシネスパートナーの浜田寿人がパーティに招かれ、特別メニューをふるまった。それが世界のニュースとなり、また知名度は上がった。

 先に述べたT氏と同じように、僕たちは手広いビジネスを展開する戦略ではなかった。あえてターゲットを絞ることで、掛け合わせの成果を最大化できた。SNS、日本発信の和牛、富裕層ターゲットなど、いくつもの要素の掛け合わせが、WAGYUMAFIAでは成功したのだ。全てのビジネスパーソンは、そのようなタイミングをとらえた掛け算に、スマホを利用し尽くしてほしい。

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