IT起業家として、インターネット黎明期から第一線を走り続けているホリエモンこと堀江貴文。堀江は現在、オンラインサロンを主宰したり(関連記事)、「WAGYUMAFIA」と呼ばれるグルメビジネスに取り組んだり(「関連記事」)、さらには宇宙開発事業に取り組んだり(関連記事)、幅広い事業を自身の関心の赴くままに取り組んでいる。
そうした堀江の行動原理はしばしば「多動」とも呼ばれているが、その多動的な行動を支えているのは実はスマートフォンだ。
堀江は自身の仕事においてPCはほとんど使わず、スマホを使って多くの関係者とコミュニケーションを取りながら複数のビジネスを回している。移動中などの空き時間をはじめ「シャワーと歯磨きのとき以外は常にスマホ」を見ながらインプット、アウトプット、報連相まで完結させている。毎週月曜に配信しているメールマガジンの原稿も、当然のごとくスマホで執筆しているのだ。
そうした堀江の働き方やビジネスの方法論をまとめたのが近刊『スマホ人生戦略 お金・教養・フォロワー35の行動スキル』(学研プラス)だ。
この連載では今まで語られなかった堀江の“スマホの真実"を数回にわたってお届けする。第1回は堀江が携わっている最高級の和牛ブランドを世界に広める飲食事業「WAGYUMAFIA(ワギュウマフィア)」を例に、飲食ビジネスにおける集客を成功させるための法則について語ってもらった。(一部、敬称略)
僕は毎月のように海外旅行に出かけ、世界各地の最高のグルメを楽しんでいる。おいしい店の情報は基本的に自分で調べるが、現地のコーディネイターに頼むことも多い。例えば以前、欧州(ヨーロッパ)を旅したとき、友人のT氏にアテンドを任せた。彼はイギリスきってのフーディー(美食家)だ。独自のルートを持っており、スコットランドの有名な蒸留所や、老舗のスコッチバーを案内してくれた。
T氏の知識量とグルメの情報収集力は大変なものだ。彼は実は、料理業界の人ではない。普段は別の仕事に就きながら、顔出しNGで、SNSを中心に自分で集めたグルメ情報を発信している。そのInstagramに掲載している料理の写真のクオリティーが、とにかくすごい。熱心なフォロワーが世界中にいて、すでに協賛企業がついている。素人なのにヨーロッパのグルメ界では、強い影響力を持つ人物なのだ。
あらためて時代は変わったと思う。スマホ1台の使い方で、個人でもグローバルなビジネスを展開できるのだ。大事なのはT氏のように、おいしいものと出会いたい、紹介したいという、「好き」を突きつめる純粋な気持ちだ。
「好き」をストレートにSNSで発信していくと、個人のブランドが高まり、やがて集客が可能になっていく。メディアを使った地道な宣伝営業も悪くないが、スケールすることを前提としない「好き」の深掘りを、スマホでやってみよう。そうすれば想定外の成果を生むこともある。
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