インタビュー
» 2019年07月06日 05時00分 公開

夢は続いていく:ホリエモン出資のロケットを開発、インターステラ稲川社長が目指す夢「早期に小型衛星ビジネスに参入」 (1/3)

民間企業が開発したロケットとして国内で初めて高度113キロの宇宙空間まで到達したインターステラテクノロジズの稲川貴大社長が単独インタビューに応じた。

[中西享, 今野大一,ITmedia]
phot 2023年に打ち上げ予定の新型ロケット『ZERO』(以下、インタビューカット以外の資料はインターステラテクノロジズ提供)

 5月4日に小型ロケット「MOMO(モモ)」3号機の打ち上げに成功し、民間企業が開発したロケットとして国内で初めて高度113キロの宇宙空間まで到達したインターステラテクノロジズ(IST、北海道大樹町)の稲川貴大社長が、ITmedia ビジネスオンラインの単独インタビューに応じた。

 稲川社長は「(モモ)3号機まではあくまでも実験機だったが、この夏に打ち上げる4号機からはいよいよ本格的に商業化に乗り出す。2023年には超小型の人工衛星を搭載した新型ロケット『ZERO』を打ち上げ、衛星ビジネスに参入したい」と、夢のある将来計画を明らかにした。同社は小型ロケット「MOMO」4号機を7月13日に打ち上げる。今回は紙飛行機を3機搭載し、宇宙空間に達した時に放出する予定だ。

 小型の人工衛星の世界的な需要については「人工衛星を宇宙空間に運ぶロケットが有望なビジネスになろうとしている。このため、新型ロケットの『ZERO』ではこれを手掛けたいと思っている」と話した。

 以下、稲川社長のインタビューの内容をお届けする。取材には「MOMO」2号機と3号機に対する大口スポンサーで、投資信託「ひふみ」の運用会社レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長が同席した。民間のロケット開発が、大きなビジネスチャンスをつかもうとしている。

phot 稲川貴大(いながわ・たかひろ)インターステラテクノロジズ社長。1987年埼玉県生まれ。大学院卒業後、大手光学メーカーへの入社を直前で辞退し、ロケット開発を手掛けるベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」に入社。2013年には社長に就任し、会社や開発の指揮をとっている。小さいころからものづくりが好きで、高校時代には文化部のインターハイ(全国高等学校総合文化祭)に出場、大学時代にはサークルで人力飛行機をつくって飛ばす「鳥人間コンテスト」に熱中した経験も

有望なビジネスに

――新たなロケット開発の中で課題となるのが資金調達だと思います。今後の規模感を考えると、大口のスポンサーも必要になってくるかと思いますが、資金調達についてはどのように考えていますか?

 これまではクラウドファンディング(CF)で小口の資金を集めてきましたが、それはあくまでも方法の一つだと考えています。これまでで一番大きな割合だった調達方法は、エクイティファイナンスですね。エクイティファイナンスとは株式を発行して投資家の方々から調達するというものです。

 エクイティファイナンスやCFに加えて、藤野社長にスポンサーいただいたように、ロケットそのものへ協賛いただくということもやってきました。その他にも北海道・大樹町さんには、北海道で初めてとなる『ふるさと納税』を使ったガバメント・クラウドファンディングを作ってもらい、宇宙のまちづくりとしてロケット開発資金に入れさせていただいています。

――ZERO打ち上げに向けて、エクイティファイナンスの割合を高めていく予定なのでしょうか?

 そうですね。今後も複数の機関投資家や個人投資家から集めた未公開株式のエクイティファイナンスを中心に、大口の資金を調達していきたいと考えています。

――例えば一部上場企業などの大口スポンサーを探していく考えはありますか?

 どこに限るということは考えていません。個人の投資家やベンチャーキャピタル、大企業などあらゆる可能性を探っていきたいと考えています。

――具体的にはどのくらいの規模を想定していますか?

 規模は数十億円と大きなものになります。この程度は絶対に必要です。例えば独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したH2ロケットの開発費用が2000億から3000億円、小型のイプシロンロケットが200億円程度と言われています。それと比較すると、われわれの費用はひと桁安い規模です。4号機の打ち上げではCFを使うことにしていますが、今後はいろいろな調達手段を使って必要な資金を獲得していきたいと考えています。

phot 民間として国内で初めて高度113キロの宇宙空間まで到達したMOMO3号機(動画はインターステラテクノロジズ、NoMaps制作)
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