――(MOMO3号機の大口スポンサーで投資信託「ひふみ」の運用会社レオス・キャピタルワークスの)藤野英人社長はスポンサーの一人として今後の期待感をどう感じていますか?
MOMO3号機は多くの困難を乗り越えて無事に宇宙に到達しました。その苦しい時を支え、ある程度の役割は果たすことができたと考えています。ただ、これで終わり、という訳ではありません。ここからがいわゆる「本番」なのです。イメージで言うと、今回は高校野球でいえば、甲子園に出場ができるチケットを手に入れたにすぎません。戦いの本番はこれからなのです。これからも投資家を探したり、投資スキームを考えたり、いろいろと応援をしていきたいと考えています。
打ち上げ成功のおかげで、僕に会う人、皆から「ロケットの成功、おめでとうございます」と言ってもらっています。宇宙ビジネスは非常に重要な日本の成長産業の一つです。だから今後も支援していきたいし、支える価値のあるものだと思っています。圧倒的に夢があり、まさに「投資家みょう利に尽きる」というところですね。
――最初にスポンサーの話があったのはいつでしょうか? スポンサーになることを決めた理由は何だったのですか?
投資家として、宇宙ビジネスはチャンスがあると思っていましたから、2号機の時からスポンサーをさせていただきました。ただ2号機で失敗した時は、「ここで頑張らなきゃいけない」と思いましたね。
ただ、3号機に対して、実際にスポンサーになるかどうかを決めるときには当社の取締役会でもさまざまな意見が出ました。社外取締役からは「本当に打ち上がる見込みがあるのか」という声も出たのです。でもそれは実際に打ちあがってみないと分からないし、僕たちも専門家ではないのでISTの皆さんを信じるしかない。だから、こうしました。資金の3分の2を私個人で拠出し、残り3分の1を会社が提供すると。そうすることで、取締役会の承認を得ることができました。
――社長個人で3分の2を出されたのですね。慎重な意見も出ていた中で、よくそこまで覚悟を決められたと思います。
だから、もし3号機が失敗したときにどう「言い訳」をするかと、その次の4号機のときにどうやってスポンサーを継続する理由を作るかをかなり考えていました(笑)。でも(当初からISTに投資している実業家のホリエモンこと)堀江貴文さんに「(僕個人で)3分の2を出しました」と言ったら、「俺は(ロケット開発に)60億円出しています」と言われました。
彼のISTに賭ける覚悟は尋常ではないのです。堀江さんは慈善事業だとは全く思っていないし、宇宙開発で有名なイーロン・マスクがCEOを務める米国の『スペースX』にどうやって追い付くか、むしろどう追い抜くかを考えているに違いないと思います。だから堀江さんの支援はISTの大きな推進力になっています。
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