――ただ、コロナ危機の後もテレワークが有効な働き方として定着していくには、「生産性」も問われていくと思います。自宅勤務は家族と一緒だったりして、あまり効率的に仕事ができないといった声もあるようですね。
比嘉: 公益財団法人・NIRA総合研究開発機構が慶應大学と4月初めに実施したテレワークの実態調査では、テレワーク中の仕事の生産性について、平常時を「100」として比較してもらったところ平均「78」となった。「100以上」と答えた人が38%いた一方で、62%は「100未満」と答えている。
これは4月初めのデータなので、現在もそれほど変わっていないと考えられる。ドタバタでテレワークを(急きょ)導入した会社の人の多くは、「生産性が下がった」と感じているのだろう。
このように最近、「テレワークで生産性が下がる」という調査結果が出始めている。上がったという結果もあるが、それらはそもそも導入に前向きで事前準備のできている企業の従業員が、回答しているとみられる。無作為に抽出すれば、全体ではやはり生産性は下がっているのだろう。
――企業側からはリモートワークによるセキュリティ問題がよく指摘されますね。働き手としては自宅の狭さや働きにくさに加え、家族と一緒に働く問題が頻繁に挙げられます。
比嘉: セキュリティ問題はコロナ前からよくテレワークの弱点として言われがちだ。しかし、テレワーク(特有)のリスクではない。社内だろうが社外だろうが、データをアクセスできる環境であれば、テレワークと関係なくリスクはあるもの。テレワークの増加でそれらが顕在化することはあるが、もともとあったリスクと考えるべきだ。
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