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» 2020年06月18日 08時00分 公開

新卒1万7000人が殺到する中小企業社長が語る:アフターコロナ、本当にオフィスは不要か? それでも“大きなオフィス”に移転する理由 (1/3)

コロナ禍の真っ只中の4月末、あえて今よりも大きなオフィスに移転する決断した筆者。その理由は「オフィスに事務的業務を行うこと以外の新しい機能を持たせることで、業績のみならず、従業員満足度の向上につながると考えているから」だ。新しい機能とは何なのか。

[近藤悦康,ITmedia]

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本企業の多くが初めて在宅勤務を取り入れました。総務省の調査によると、ビフォーコロナに在宅勤務制度を導入していたのはわずか1割程度でした。しかし都内の大企業を中心に在宅勤務が急速に普及し、そもそも従業員がオフィスに集まって仕事をする意味はあるのか、という議論が出始めています。

photo 総務省が2020年5月に発表した「平成30年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している・導入予定の企業は26.3%。このうち在宅勤務は37.6%だったので、ビフォーコロナに在宅勤務制度を導入しているのは1割程度だった=同省の資料より

 緊急事態宣言解除後もリモートワークを継続する企業は多くあります。Twitter社は日本を含む全世界の約5000人の従業員を対象に、従業員が望めば永続的に在宅勤務を続けられるようにする方針を発表しました。国内でもドワンゴなどが全社員を原則的に在宅勤務とする方針を固めました。これらは通勤時間が不要になったことで、生産性が高まると判断したことから今回の方針につながった模様です。

 このようなコロナをきっかけとする在宅勤務の拡大による人々の働き方の変化の中で、果たしてオフィスは必要なのでしょうか。

筆者:近藤悦康(株式会社Legaseed代表)

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 “日本一学生を集める”新卒採用のプロ。大学院に進学と同時に、人材教育会社に入社。営業部に配属される中、新しい新卒採用人事の仕組みを作り出し、1年間で2万人以上が応募する企業に発展させた。その後独立し、人材採用と人材育成のコンサルタントを経て、2013年11月、株式会社Legaseedを設立。人材採用コンサルティング、 社員教育・組織活性コンサルティング、学生向けキャリア教育事業などを手掛ける。創業6年で応募者1万7000人企業に成長した。

 同社のユニークな人材採用コンサルティングの手法と採用活動が話題となり、テレビや雑誌をはじめ多数のメディアに採用の様子が取り上げられ、注目の経営者となる。昨年の「楽天みん就」による、2021年卒学生のインターンシップ人気企業ランキングにて、大手企業を抑え10位にランクイン。

 主な著書に「はたらくを、しあわせに」「伸びてる会社がやっている「新卒」を「即戦力化」する方法」(共に、クロスメディア・パブリッシング)、「内定辞退ゼロ」(実業之日本社)などがある。


アフターコロナのオフィスの必要性とは

 結論からいうと、事務作業をするためのオフィスはもはや必要ないといえるでしょう。私が代表を務めるLegaseedも3月末日から6月1日まで原則在宅勤務とし業務を行いましたが、業績を落とすことなく在宅勤務期間を終えました。

photo 近藤氏が代表を務めるLegaseedのオフィスエントランス

 製造業の工場など、業種によっては在宅勤務に切り替えることが難しかったり、自宅からでは会社のサーバにアクセスできなかったりなどの支障もあったでしょうが、少なくとも事務作業に関しては在宅勤務でも問題なく実施できたはずです。

 その証拠に、Google社がまとめた調査によるとリモートワークを取り入れたオフィスワーカー3368人のうち49.3%が「リモートワークを継続したい」と回答し、「あまり続けたくない」「続けたくない」の23.1%を大きく上回る結果でした。当社が実施したアンケートでは、約9割がリモートとオフィス勤務の併用を希望しており、業務効率の観点から見ても、社員の満足度という観点からも、アフターコロナの時代に「全員同時出社」はそぐわないといえます。

 それでも私は、コロナ禍の真っ只中の4月末に、あえて今よりも大きなオフィスに移転する決断しました。賃料も2倍に跳ね上がります。それはオフィスに、事務的業務を行うということ以外の新しい機能を持たせることで、業績のみならず、従業員満足度の向上につながると考えているからです。

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