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» 2020年06月25日 08時00分 公開

対応策はあるのか:コロナ禍が「地震・台風時を凌ぐ」デマを生む真の理由 (1/2)

コロナ禍で特に問題視される「情報の混乱」。専門家間の意見対立や悪質なデマも。他の災害との根本的な違いに迫る。

[服部良祐,ITmedia]

 外出自粛や他県への移動、休業要請などの解除が進み、一定の落ち着きを見せてきた新型コロナウイルス対策。一方で感染第2波への懸念や、政府の掲げる「新しい生活様式」などを考えると、経済や日常生活への影響は長期に渡る可能性もある。

 他の災害より、特に今回のコロナ禍で生活への悪影響をもたらしていると言えそうなのが「情報の混乱」だ。悪質なデマ拡散に加え、トイレットペーパーやマスクなどの買い占め騒動は記憶に新しい。加えて東京アラートといった行政の公式情報に対しても「どれくらい自粛すればいいか分かりにくい」といった声はよく挙がっている。

photo コロナ禍では出回る情報の混乱、デマも経済や生活へ悪影響をもたらしている(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

地震時より長期化、デマ検証も困難に

 コロナ禍で特に情報の混乱が発生しがちな根本的原因とは、そしてその対処法とは。マスコミと連携して災害・事故などに関するSNS分析や世論調査を手掛け、デマやリスク下の情報管理に詳しいJX通信社(東京都千代田区)の米重克洋社長に聞いた。

――ある程度落ち着いて日常に戻るかとも思われてきたコロナ禍ですが、東京都での新たな感染者が、6月24日には緊急事態宣言解除後最多の55人と発表されるなど、先の読みづらい状況が続いています。コロナを巡っては、他の災害と比べても特に情報面での混乱が強烈で、デマの流布に加え「どの人の意見を信じればいいのか」など不安に思う人も少なくないようです。背景をどう考えますか。

米重社長: 他の災害と大きく違うポイントの1つが「期間」だ。台風や大雨であれば、警戒すべき期間は来る前から来た後までの数日程度、長くても1週間は続かない。地震であっても、(直撃した被災地を除き)せいぜい1〜2週間の話だと思う。しかし、新型コロナの場合は薬やワクチンができるまで何年かかかる可能性がある。これだけ長く続けば生活者は我慢できなくなる。

 加えてコロナ禍で出回るデマは検証する難易度が高い。量も膨大になっており、デマが及ぼす影響も単純な病気のテーマだけではなくなっている。他の災害と比べてに手に負えない状態と言える。

――例えば2018年の北海道地震でも、「大規模な地震がまた来る」「インフラが止まる」といった荒唐無稽なデマがSNSなどで出回りました。それらとコロナ禍のデマの本質的な違いは?

米重社長: 他の災害の場合、例えば「この地震は人工地震だ」ような内容は専門家にすぐ聞いて科学的に検証すればよかった。デマとしての立証は実は簡単だったと言える。

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