東京メトロが「消毒ロボット」を導入、さてどうなる?自動化が進む鉄道(2/3 ページ)

» 2020年06月28日 07時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

ロボットの見本市・高輪ゲートウェイ

 この春開業したJR東日本の高輪ゲートウェイ駅には、さまざまな種類のロボットが導入されている。AIを利用した案内ロボットが駅構内や周辺施設、乗換案内のほか、イベント情報の案内も行う。

 自律移動型の警備・清掃ロボットは、あらかじめ設定した移動経路を巡回する。警備ロボットは不審物を検知し、清掃ロボットは駅構内の清掃を行う。同じく自律移動型の移動案内・広告ロボットは、利用者への案内や広告宣伝を行う。移動支援ロボットは駅構内での利用者の移動を支援する。

 こういったロボットが高輪ゲートウェイ駅に導入され、そこから他の駅でも導入できるかどうか、検討・判断の材料になっている。

 関東圏私鉄でも、ロボットが現実に使用されたり、あるいは実証実験が行われたりというケースがある。例えば京王電鉄では、案内ロボットの実証実験が行われた。2019年3月に下北沢駅に設置されたオムロン製の案内ロボット「下北沢レイ」は、同年9月から新宿駅の京王百貨店口の券売機横に移設された。

 この「下北沢レイ」は、乗換案内や構内・周辺案内、運行情報の問い合わせに対して音声とディスプレーで対応するだけでなく、対話へのうなずきや体・腕の動作で案内し、利用者に親しみを持ってもらえるようにできている。また、対話を積み重ねることで、“成長”していく。

下北沢レイ(出典:京王電鉄)

 20年2月には、子会社で駅構内の清掃を担当する京王設備サービスが、5000系車両をイメージした自律走行式床面洗浄機を新宿駅で本格稼働させた。アマノ製の「EGrobo」(イージーロボ)である。

 「京王ライナー」として親しまれている5000系車両をモデルとし、自動走行時には京王ライナーの車内BGMやメロディーフォンを流す。終電後から始発までに京王線のホーム階や改札階のコンコースの清掃を自動走行で行う。なお、日中は清掃員の操作により運用する。

 清掃エリア内の走行経路や速度、洗浄水量やパッド圧を事前に登録し、清掃。エリア内に歩行者や障害物があった場合は、センサーで認識、停止後に回避ルートを再設定する。音声案内やウィンカーで注意喚起する機能も備えている。

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