1日で300万円稼ぐ“ドライブスルー魚屋”も登場 コロナ禍で見直された販売形態の魅力長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)

» 2020年06月30日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

ラーメンの持ち帰りにも商機

 持ち運びの途中で麺が伸びてスープが冷めてしまうイメージが強いため、麺類のテークアウトには消極的なチェーンが多かった。また、ドライブスルー設置の動きも鈍かった。しかし、コロナ禍でそうも言っていられなくなった。

 幸楽苑では5月27日から、本社のある福島県郡山市内の4店舗で、試験的にドライブスルーを始めた。7月1日には群馬県内の3店が加わった。テークアウト専用のチャーハンやギョーザなどを組み合わせた弁当を中心に、ラーメンも販売している。

ドライブスルーを始めた幸楽苑

 ラーメンの持ち帰りには、専用の容器を使う。麺と汁と具材が分かれていて、食べる時に合わせる形式なので、麺が伸びにくい。また、容器代として別途60円が加算される。

 北陸を中心に国内で120店ほどを展開する「8番らーめん」では、10店でドライブスルーに対応。7月には、3店が新しく加わる。

 同社・広報によれば「5月は半分がテークアウトだったが、今は店内利用が増えて売り上げも8割戻った」とのことだが、依然としてドライブスルーの需要は高いと見ている。

 同チェーンでは、テークアウトでも完成した形で提供されるが、テークアウト用にのびにくい麺と紙製の容器を使い、10〜15分後に食べ頃になるように工夫されている。

リンガーハットは皿うどん推し

 リンガーハットでは約700店あるうちの87店で、ドライブスルーを実施。“あん”が具材に掛かっていて冷めにくいことから、テークアウトでは皿うどんを推している。2時間後でも60度にキープされているという。容器は、麺の上に中皿があって、中皿の上に具材が盛られ、食べる際に麺に掛ける。

 ちゃんぽんも、テークアウトでは麺とスープをフィルムで分離した容器で提供される。食べる時にフィルムを抜くと完成する形式なので、麺が伸びるという問題が改善されている。

リンガーハットのドライブスルー

 系列のとんかつ店「濱かつ」でも、約100店中7店でドライブスルーを設置している。同社・広報は「緊急事態の外出自粛期間中は、ドライブスルー利用者が増えた」と、効果を実感している。

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