持ち運びの途中で麺が伸びてスープが冷めてしまうイメージが強いため、麺類のテークアウトには消極的なチェーンが多かった。また、ドライブスルー設置の動きも鈍かった。しかし、コロナ禍でそうも言っていられなくなった。
幸楽苑では5月27日から、本社のある福島県郡山市内の4店舗で、試験的にドライブスルーを始めた。7月1日には群馬県内の3店が加わった。テークアウト専用のチャーハンやギョーザなどを組み合わせた弁当を中心に、ラーメンも販売している。
ラーメンの持ち帰りには、専用の容器を使う。麺と汁と具材が分かれていて、食べる時に合わせる形式なので、麺が伸びにくい。また、容器代として別途60円が加算される。
北陸を中心に国内で120店ほどを展開する「8番らーめん」では、10店でドライブスルーに対応。7月には、3店が新しく加わる。
同社・広報によれば「5月は半分がテークアウトだったが、今は店内利用が増えて売り上げも8割戻った」とのことだが、依然としてドライブスルーの需要は高いと見ている。
同チェーンでは、テークアウトでも完成した形で提供されるが、テークアウト用にのびにくい麺と紙製の容器を使い、10〜15分後に食べ頃になるように工夫されている。
リンガーハットでは約700店あるうちの87店で、ドライブスルーを実施。“あん”が具材に掛かっていて冷めにくいことから、テークアウトでは皿うどんを推している。2時間後でも60度にキープされているという。容器は、麺の上に中皿があって、中皿の上に具材が盛られ、食べる際に麺に掛ける。
ちゃんぽんも、テークアウトでは麺とスープをフィルムで分離した容器で提供される。食べる時にフィルムを抜くと完成する形式なので、麺が伸びるという問題が改善されている。
系列のとんかつ店「濱かつ」でも、約100店中7店でドライブスルーを設置している。同社・広報は「緊急事態の外出自粛期間中は、ドライブスルー利用者が増えた」と、効果を実感している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング