ロックダウン中のドイツにて、最も売れ行きに変化が出た商品は、第1位がトイレットペーパー、第2位が園芸用土という。ベルリンを拠点とする自然食品チェーン「BIO COMPANY GmbH」のアニカ・ヴィルケ(Anika Wilke)さんは、「約25パーセント、園芸用土の売れ行きがアップしました」と語る。自宅待機中の人にできることは、世界共通のようだ。しかし、園芸および家庭菜園における野菜育成は天敵、害虫との闘いでもある。そこで今回は、てんとう虫を例に、ドイツでの生物農薬事情をお伝えする。
ドイツに住む日本人、永井宏治さんも家庭菜園を趣味とする一人。昨年(2019年)害虫対策に苦労した結果、インターネットで、てんとう虫を買うことを決めた。
永井さん 「昨年の秋、自宅を購入したのですが、害虫が発生しやすい状況でした。おそらく、前の所有者が生物多様性を無視して、偏った植栽をしていたせいでしょうね。アブラムシの大量発生が悩みのタネでした。
薬品を使わないアブラムシ対策は、アブラムシの大量発生を防ぐ植裁手法なども含めていろいろ試しましたが、期待した効果は得られませんでした。
そこで、隣の緑地でてんとう虫を探して庭に放ち、アブラムシを捕食させてみました。ですが、てんとう虫の成虫は、繁殖のためか気まぐれに庭から飛び去ってしまうのです。飛び立つ前の幼虫を見つけようと試みたのですが、成虫より小さいですし、地味な色彩なので、発見は困難でした。
こうした経緯に加え、緑地から虫を持ち出すのもよくないと考え、生物農薬としての益虫販売サイトを利用して、ドイツのてんとう虫の幼虫を買うことにしたのです」
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