LEDと白熱灯、台風に強いのはどっち? 北海道と沖縄、ここまで違う信号機事情意外と知られていない(1/4 ページ)

» 2020年08月25日 09時30分 公開
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 1日に何度も目にする信号機。近年、“薄い"LED電球を使った信号機の設置が広がっているものの、普及率は都道府県ごとに事情が違う。台風が多い沖縄では軽い発光ダイオード(LED)が多く、寒い北海道では重い白熱灯を使った信号機がメジャーだ。意外と知らない信号機事情に迫った。(社会部・比嘉太一、比嘉大熙)

薄い「LED派」の沖縄 まぶしさが影響

 台風銀座――。年間で平均7.4個の台風が通過する沖縄では、強風による信号機の損傷も計り知れない。

 沖縄県警交通規制課によると、LED信号機は白熱灯が使われている信号機と比べて軽くて薄いため、風の影響を受けた際に折れにくいという特徴がある。

 一方、電球式は重く、折れたりする被害も多かった。交通規制課は「LED信号機の普及に伴い、台風で壊れる信号機も減った」と評価する。

八重山地方に接近した台風15号の影響で折れた電球式の信号機=2015年8月24日、石垣市登野城

 LED信号機が普及している理由に、西日などの沖縄の強い日差しもある。

 特に沖縄の場合、日の入り(日没)の時間が他の都度府県よりも長く、「西日による影響は交通安全にも関わる」(沖縄県の警交通規制課)。西日対策の一環としてLED信号機の普及が進められたことが背景にある。

 西日などの強い日差しが電球に当たると、人は青や赤といった色の識別がしにくくなる。これは、「疑似点灯」と言われていて、交差点で青信号だと思って直進したところ、実際は赤信号で出会い頭の事故を引き起こすなど交通事故を招くケースも。

那覇市の国際通りに設置されているLED信号機
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