トヨタ自動車は8月31日、新型のコンパクトSUV「ヤリス クロス」の発売を開始した。価格はガソリンエンジンが178万9000円(税込)から、ハイブリッドモデルが228万4000円から。月間4100台の販売を目標とする。
ヒットモデルヤリスのSUV版ヤリス クロス(トヨタ提供)
ヤリス クロスは、コンパクトカーのヤリス同様、トヨタの新型プラットフォームであるTNGAのGA-Bを採用した。
デザインは、「ENERGETIC SMART」をキーワードにアクティブで洗練されたバランスの良いプロポーションを追求した。荷室は、「コンパクトSUVトップクラス」(トヨタ)の390リットルを確保。4:2:4分割リヤシートや、トランク床を6:4分割できる仕組みを設け、多彩なデッキアレンジを可能にした。
FFに加え4WDも用意。ハイブリッド車では後輪をモーターで駆動する電気式4WDシステムをトヨタのコンパクトSUVでは初めて用意した。ハイブリッド車の燃費は、WLTCモードで1リットルあたり30.8キロメートル。
またトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備。全車速対応のレーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシストなどを盛り込んだ。
- トヨタの大人気ない新兵器 ヤリスクロス
ついこの間、ハリアーを1カ月で4万5000台も売り、RAV4も好調。PHVモデルに至っては受注中止になるほどのトヨタが、またもやSUVの売れ筋をぶっ放して来た。
- ヤリスのトレードオフから考える、コンパクトカーのパッケージ論
ヤリスは高評価だが、満点ではない。悪いところはいろいろとあるが、それはパッケージの中でのトレードオフ、つまり何を重視してスペースを配分するかの結果だ。ヒューマンインタフェースから、なぜAピラーが倒れているかまで、コンパクトカーのパッケージに付いて回るトレードオフを、ヤリスを例に考えてみよう。
- ヤリスの何がどう良いのか?
ヤリスの試乗をしてきた。1.5リッターのガソリンモデルに約300キロ、ハイブリッド(HV)に約520キロ。ちなみに両車の燃費は、それぞれ19.1キロと33.2キロだ。特にHVは、よっぽど非常識な運転をしない限り、25キロを下回ることは難しい感じ。しかし、ヤリスのすごさは燃費ではなく、ドライバーが意図した通りの挙動が引き出せることにある。
- ヤリスとトヨタのとんでもない総合力
これまで、Bセグメントで何を買うかと聞かれたら、マツダ・デミオ(Mazda2)かスズキ・スイフトと答えてきたし、正直なところそれ以外は多少の差はあれど「止めておいたら?」という水準だった。しかしその中でもトヨタはどん尻を争う体たらくだったのだ。しかし、「もっといいクルマ」の掛け声の下、心を入れ替えたトヨタが本気で作ったTNGAになったヤリスは、出来のレベルが別物だ。
- トヨタ、新型車「ヤリスクロス」を初公開 都市型SUVに新モデル
トヨタ自動車は、新型SUV「ヤリスクロス」を世界初公開。主力コンパクトカー「ヤリス」をベースにした新たな車種で、都市型SUVの需要を取り込む。国内では2020年秋に発売予定。
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