マーケティング・シンカ論

顧客が好む広告、狙い撃ちで配信 「ファミペイ」「dポイント」などのデータ活用、伊藤忠などが新会社「データ・ワン」

» 2020年09月02日 19時08分 公開
[秋山未里ITmedia]

 伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントは9月2日、購買データを活用したデジタル広告の配信事業を行う新会社「データ・ワン」を設立すると発表した。ファミマの購買情報やdポイントクラブ会員のデータを基に、顧客の好みとマッチする広告を、スマートフォンアプリ「ファミペイ」や「dポイントクラブアプリ」などに配信。会員ID単位でのターゲティング広告配信から、商品購買までの効果検証が可能になるという。

photo データ・ワンの事業イメージ図

 ファミマとドコモのデータのみならず、段階的にスーパーマーケットやドラッグストアなど他業態の小売事業者ともアライアンスを組んでいく方針だ。伊藤忠商事は、こうした小売業者とのアライアンス構築をサポートする。サイバーエージェントはデジタル広告の運用・配信プラットフォームの開発ノウハウを提供する他、広告代理店として広告主のマーケティングを支援する。

 新会社の出資比率は、伊藤忠とファミリーマートが合計55%、NTTドコモが40%、サイバーエージェントが5%。資本金は9億9000万円(資本準備金を含む)。

 日本国内のインターネット広告費は成長が著しく、2019年に2兆1048億円に達し、初めてテレビ広告費を上回った(電通調査)。米国では、大手小売業者が購買データをもとに顧客にデジタル広告を配信するサービスを立ち上げるという動きもある。こうした背景もあり、4社は新会社を立ち上げるとしている。

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