三井住友カード(東京都港区)と経費精算SaaSなどを提供するコンカー(東京都中央区)は9月8日、戦略的業務提携を発表した。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を共同で推進する。
テレワークの長期化と定着が見込まれていることと、また2020年10月に施行される電子帳簿保存法の改正により、クレジットカードなどのキャッシュレス決済におけるデジタル明細が紙の領収書の代替として認められることが背景にある(関連記事参照)。企業がクレジットカードを使って決済を行い、コンカーなどの経費精算SaaSサービスと連携させることで、紙の領収書がなくても精算業務を進められるようになる。
両社は、20年下期に協働商品を販売。さらに21年以降は次のような施策を実施する。
- 三井住友カードからコンカーへ提供するデータ項目を拡充。経費精算システムへの入力、チェック、承認作業を軽減
- 三井住友カードの決済データとコンカーの精算データを統合分析し、目的外利用のアラート機能を提供
- SMBCグループ各社と提携し、経費申請から法人向けクレジットカード利用者口座への振り込みまでを自動化
また、コンカーが提供するスマホアプリから法人向けクレジットカードへ申し込みや変更ができるようにするなど、協働商品の開発提供を検討する。
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