羽田イノベーションシティーで運行する「自律走行バス」に乗ってみた定常運行を開始(2/2 ページ)

» 2020年09月19日 10時30分 公開
[上間貴大ITmedia]
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乗り心地は?

 観音開きのドアが閉じ、さっと動き出した。敷地内を7〜8キロで走行する。乗車前はゆっくり走るように見えたが、実際に乗ってみると遅さは感じない。カーブも違和感なく曲がっていく。ただ、駐車場内では頻繁にブレーキがかかる。車の合流場所や、停止位置では自動で止まるようになっていて、ドライバーが安全を確認してモニターの発車ボタンを押して進行する。通常のバスに比べて少し急ブレーキ気味にも感じたが、全体を通してスムーズな乗り心地だった。

乗り口は広く、コの字型に座席がある

 車両の運行管理は、BOLDLYが提供する自動運転車両の運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を活用。遠隔地からバスの運行管理、監視ができ、車両に異常があった場合はアラートが鳴るため、常に人が監視する必要はないという。また、飛び出し多発地点など、危険な位置を自動で分析し自律走行に反映できるという。さらに、1台で複数の異なる車種の車両を監視できるため、バス会社などの人手不足解消が期待できる。現在は、HICity内で実証実験が行われる自律走行低速電動カートと、NAVYA ARMAを同時に管理している。今後はHICity内ではなく、日本交通の営業所で運行を管理するという。

日本交通のスタッフが運行を管理。左画面が電動カートで、右がNAVYA ARMA

 このNAVYA ARMA、秋には茨城県境町での運行を計画している。BOLDLYの担当者は「ドライバー不足で、運休や減便せざるを得ない地域の交通網を支えていきたい」と話す。近い将来、過疎地域での交通手段として、自律走行バスが活躍しているかもしれない。

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