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» 2020年09月29日 05時00分 公開

飲食店を科学する:丸亀製麺の売上高が対前年比90%まで回復 カギは「衛生マーケティング」と持ち帰り専用容器 (1/5)

コロナ禍に苦しむ外食産業。一方、丸亀製麺の売り上げ(8月)は対前年比90%まで回復した。どういった施策を行ったのか。

[三ツ井創太郎,ITmedia]

飲食店を科学する:

 【飲食店コンサルタントが解説】立地、メニュー数、原価率、回転率、利益率―飲食店の経営には、数字やロジックを積み上げて戦略を練る作業が欠かせない。人気になっているチェーン店や、すっかり定着しているが業態の裏側にあるノウハウを分析していく。


 飲食店コンサルタントの三ツ井創太郎です。コロナ禍により外食産業全体が大きく落ち込んでいます。今年の3月から売り上げが低迷し、7カ月が経過しています。

 第2波の影響などにより、まだまだ厳しい状況が続いていますが、こうした中でも回復傾向にある企業とそうでない企業に大きな差が出始めています。

 今回はウィズ・アフターコロナの時代においてV字回復を実現している企業の取り組みを学んでいきます。

丸亀製麺はなぜ早く立ち直ったのか

V字回復を遂げている丸亀製麺

 皆さんはうどん専門店「丸亀製麺」の運営会社が「株式会社トリドールホールディングス」ということをご存じでしょうか。

 「なぜうどん店なのに“トリ”ドールなの?」と不思議に思われる方もいることでしょう。

 同社は1985年8月、兵庫県加古川市で「トリドール三番館」という8坪の焼鳥居酒屋からスタートしました。そして創業から14年後の99年、地域の家族客が気軽に来店できるファミリーレストラン型の焼鳥店「とりどーる」を出店します。当時は画期的なことでした。

 しかしながら、2004年から世界的に大問題となった鳥インフルエンザの流行などにより、戦略転換を行います。鶏肉を主力食材としない新たな業態を展開したのです。それがセルフ式うどん店の丸亀製麺です。丸亀製麺自体は00年に1号店がオープンしていますが、鳥インフルエンザが出店加速のきっかけになりました。

 そして1号店オープンから6年後の06年には東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場。さらに08年には、東京証券取引所第一部に上場市場を変更しました。現在、丸亀製麺は国内に849店舗を展開しています(20年6月時点)

 ここで、今年に入ってからの丸亀製麺の既存店売上高(対前年比)を見ていきます。

 全国の居酒屋業態は8月度で対前年比40〜50%程度、ファミレス業態で70〜80%程度と苦戦をしています。そんな中、丸亀製麺の対前年比90%という数値は正に「V字回復」といえる実績です。

 好調な要因の1つとして立地が挙げられます。丸亀製麺は地方ロードサイト店舗が全体の8割を占めており、ショッピングセンターや都心店を多く抱えるチェーンと比べて回復が早いという特性があります。

 丸亀製麺がV字回復したのは立地要因だけではありません。次項では丸亀製麺がコロナ禍でどんな取り組みをしてきたのかを分析をしていきます。

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