株式投資といえばお金を増やすためにすること――。そんな考え方が、徐々に変わってきているかもしれない。社会に貢献している企業の株式を買うことで、応援し、世の中をよくしていく一歩にしたい。そんな目的の投資スタイルが生まれていく可能性がある。
「適切な企業に投資をすることで、企業も成長して、投資家も利益を得る。お金を使って社会貢献するなら寄付でもいいが、投資によって企業を応援することで社会にプラスとなり、さらに経済的な豊かさも追求できる。悪いことをするのではなく、いいことをしてもうけようという考え方だ」
マネックス証券 執行役員 チーフ・アナリスト マネックス・ユニバーシティ長の大槻奈那氏は、企業を応援する意図での投資について、こう説明する。
マネックス証券 執行役員 チーフ・アナリスト マネックス・ユニバーシティ長の大槻奈那氏(写真 マネックス証券)
マネックス証券が5月末に行った全国調査によると、社会貢献活動に積極的な人ほど、投資も行っていることが分かった。社会貢献活動を行っている人のうち、60%が投資も行っており、これは社会貢献活動を行っていない人の27%の2倍以上にあたる。
資産や収入が多い人ほど、社会貢献活動も投資も行っているという、いわゆる疑似相関も最初は疑ったが、収入別で見ても、同じ傾向があった。
投資先の企業を選ぶ基準として、「社会に良いことをしているかどうか」を入れたいとした人が過半にのぼった(マネックス証券調査)
これまで投資といえば、どれだけもうかるかというリターンと、どのくらい損する可能性があるかというリスクの2つで語られることが多かった。しかし、「社会に良いことをしている印象の企業に投資したいか」という質問に対し、過半数が「そう思う」と答えており、利益だけでなく社会貢献の一貫として投資を捉える人が増えている。
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