コロナ禍で売上は1.5倍! 耳をふさがない「骨伝導ヘッドフォン」は何がスゴいのか路上でも使える(4/6 ページ)

» 2020年10月22日 07時15分 公開
[小林香織ITmedia]

コロナ禍で、売り上げは昨年比150%

 アフターショックスの公式WebサイトやこれまでのPR活動を見ると、「アスリートスポーツ愛好家のためのヘッドフォン」という印象がかなり強い。だが、20年以降、利用者層にじわじわと変化が起きている。

 その発端となったのが、新型コロナの流行による「テレワークの導入」だ。冒頭で紹介したとおり、全国の3割強がテレワークを経験、都心の企業やIT企業にいたっては100%のテレワーク稼働もめずらしくなくなった。

イヤフォンの長時間使用が外耳炎を引き起こす社会問題に発展

 それに伴いオンラインでのミーティングや商談も増加、人々がヘッドフォンやイヤフォンを身に着ける時間がグッと増えたことで、インイヤーのイヤフォンが持つネガティブ要素が浮き彫りになった。Twitterには、「イヤフォンの使いすぎで耳が痛い」「頭痛や耳鳴りがする」といった悩みを綴ったツイートが多数見受けられる。

 ひどくなると皮膚が炎症を起こして外耳炎を発症するケースもあり、耳鼻科医が長時間のイヤフォンの使用に関して注意を呼びかけたツイートが大きな反響を呼び、各種メディアでも報道された。

 そこで、インイヤーのイヤフォンの代替として多くの人が着目したのが「骨伝導ヘッドフォン」というわけだ。チェン氏いわく、骨伝導ヘッドフォンは耳穴をふさがないため外耳炎になる心配はないとのこと。

 4.3万人のフォロワーを持つTHE GUILD(ザ・ギルド)の共同創業者Go Ando氏も自身のTwitterで、同社の骨伝導ヘッドフォンについて「オンラインミーティングで試したところ、すごくよかった」とツイート。1200件以上のいいねが付いたこの投稿により購入を決めた人も一定数いたようだ。

 結果的に現時点までのアフターショックスの骨伝導ヘッドフォンの売り上げは、昨年比で150%増と勢いよく伸びている。また、「e☆イヤホン秋葉原店」では骨伝導ヘッドフォン・イヤフォンが昨年同時期比で13倍の売り上げを記録しており、中でもアフターショックスの最先端モデル「Aeropex」が人気を牽引しているとのこと。

 同社が利用者の購入動機や購入後の用途を把握しているわけではないが、SNSではコロナ禍に骨伝導ヘッドフォンの利用を開始した人が一定数見受けられる。「オンラインミーティング中でも子どもの泣き声にすぐに気付けて便利」と、テレワークと子育ての両立しやすさに言及する声もあった。

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