満員電車の中で「ギューッ」と押されて、人混みをかきわけるようにして下車する――。新型コロナウイルスの感染が広がる前、都市部で働くビジネスパーソンにとって“日常”の行動だったわけだが、今は違う。テレワークを導入する会社が増えて、以前のような通勤地獄に悩まされる人も減った。
となると、いろいろな変化が起きる。身だしなみでいえば、スーツを着なくなったり、革靴を履かなくなったり。食事でいえば、会社の近くにあるコンビニでお弁当を買わなくなったり、同僚とビールを飲むことも減ったり。売り上げのデータを見ても、大幅に落ち込んでいるところが多いにもかかわらず、ぴょこんと伸びているアイテムもあるのだ。記者が気になったのは、「ビジネスリュック」である。
「そんなことはないでしょ。会社に行く人が減っているんだから、仕事用のカバンなんてダメダメ」と思われたかもしれないが、エース(東京都渋谷区)のビジネスリュックが好調に売れているのだ。商品名は「ガジェタブル」である。
エースのビジネスリュック「ガジェタブル」が売れている
緊急事態宣言が解除された5月から7月までの販売個数を見ると、耐久性がウリのCBタイプは前年比180%、耐水性がウリのWRタイプは同126%なのだ。在宅勤務になった人が増えたこともあって、紳士服大手の決算は厳しい数字となった。いわゆる“スーツ離れ”が起きているのに、なぜビジネスリュックは好調なのか。同社のマーケティング本部に席を置く森川泉さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
なぜビジネスリュックが好調なのか
なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
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「スーツにリュックサックを合わせるのはマナー違反」との声をよく耳にする。だが、リュックには機能性などのメリットがある点も事実だ。なぜ、ビジネスリュックは批判を集めるのか。本当に非常識なのか。日本サービスマナー協会の講師に見解を聞いた。
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