ゴルフ場はコロナ禍を乗り越えたのか? 倒産、今年まだ1件追い風(2/3 ページ)

» 2020年10月26日 09時56分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

 ここ何年にもおいて、平日を中心に割引券を配り、GPS付きのキャディカートを導入し、セルフプレー中心に変え、これまでのレディースティに加え、さらに前方に初心者用のティマークを設置したりして、なりふりかまわない対応をしてきた。

 また、いわゆる「会員」はプレー以上に敷居が高かった。ただでさえ高額な会員権に加えて、「名義変更費用」などという、初心者にとっては意味の分からないお金が、高いところでは今でも数百万以上するところもあり、とうてい手の出せるものではなかった。

 これも最近は様相が変わっている。PGMなどを中心に、ゴルフ場の新規募集という形をとることで、これまででは考えられない費用でメンバーになることができるようになってきた。

 静岡のあるゴルフ場では、新規のメンバーを増やすために、会員権の売買ではなく、新規募集という形で集めた。自社のWebサイトを中心とした営業だったにもかかわらず、予定数のメンバーを確保し、今ではさらに10万円上乗せして販売を続けている。

 これは、費用対効果を考えた購入者もいるだろうが、好みのコースのメンバーとなり、会員同士の交流含めたメンバーライフを楽しみたいというニーズがあるという何よりの証拠だろう。

 こうした偶然(?)が重なり、出かけられないストレス解消のニーズも重なり、往年のゴルファーだけではなく、20歳代、30歳代の若者もゴルフ場に行くようになった。

 さすがに、5月前後までは前年比で大きく落ち込んでいたが、8月は前年費でプラスに転じるゴルフ場も多くあるという。ゴルフやグローブなどの消耗品も売り上げが増加しているらしい。

Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.