パスタとパスタソースに関してはどうか。「マ・マー」ブランドで有名な日清製粉グループ本社の20年3月期決算によれば、家庭用は休校要請があった2月下旬と緊急事態宣言前の4月上旬に、いずれも前年比で180%に近い売り上げとなった。
しかし、4月以降にはレストランなどに提供する業務用の売り上げが需要減で低迷したため、トータルで相殺。手放しで喜べるような結果ではなかった。
「ケンミン焼ビーフン」を販売するケンミン食品(神戸市)も、3〜5月を中心に店頭販売が2桁超と好調だった。一方で、レストランなどに卸す業務用の商品が出なかったため、総合的にはややプラスになったくらいだという。
同社では、創業70周年感謝プロジェクトとして「47都道府ケンミン焼ビーフン」の発売を計画。第1弾として6月15日に冷凍食品「千葉ケンミン焼ビーフン」を発売した。ズッキーニ、なす、赤ピーマン、しょうがといった千葉県産野菜を1食当たり60グラム使用している。
また、今後はキャンプなどのアウトドアで簡便に調理できることや、グルテンフリーでもあるビーフンの汎用性などをアピールしていく方針だ。
乾麺が大半で土産物や贈答用の需要が強い「稲庭うどん」はどうか。佐藤養助商店(秋田県湯沢市)によれば、「3月以降通販が3割伸び、夏頃から低価格商品も伸びたが、マイナスのほうが大きかった。Go To トラベルの効果もあって、前年並みに回復してきたところ」という。観光や業務用の比率が高いので、経済全般の回復を待っている。
このように、消費者向けの商品は好調な反面、観光・贈答・業務用の商品は低調で、乾麺なら全てが好調というわけではない。
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