全国の食品スーパー約1030店舗のPOSデータベース「KSP-POS」を運用するKSP-POS(東京都港区)が3月31日に発表した「マーケットトレンドオープンレポート」によれば、政府から全国の小中高校に休校要請があった2月24日〜3月1日の週と、小池百合子東京都知事をはじめ首都圏の知事たちが外出自粛を呼び掛けた3月23〜29日の週に、加工食品の売上金額がそれぞれ前年比で、120%と121%となった。しかも、他の週と比べても約10%以上顕著に伸びていた。
その加工食品の売れ行きを詳細に調べたところ、「インスタント袋麺、乾麺、スパゲティ」が「金額前年比でも他の麺類と比べて伸長率が高い」という事実が、データに表れた。
すなわち、「インスタント袋麺、乾麺、スパゲティ」の3カテゴリーが、2月24日からの週と3月23日からの週で、それぞれ約170〜200%と約200〜225%と伸びたのだ。
一方、「カップ麺、生麺・ゆで麺、マカロニ」は、約140〜150%の伸び率であった。
それ以外の週でも、新型コロナの影響が出た3月では、わずかずつながら、「インスタント袋麺、乾麺、スパゲティ」が「カップ麺、生麺・ゆで麺、マカロニ」を上回る傾向が続いた。
また、冷凍麺に関しても、 2月24日の週と、3月23日の週の伸び率は、それぞれ142%と137%で、「インスタント袋麺、乾麺、スパゲティ」ほど伸びてはいない。それ以外の週も110〜120%台で推移しており、これら3カテゴリーと同等か少し下回る程度の売れ行きであった。
この結果について、同レポートは「『インスタント袋麺、乾麺、スパゲティ』は、どれもが調理が必要で手作りができる商品。また、生麺・ゆで麺と比較して日持ちする点から影響が大きかったと推測できる」としている。
コンビニでも、ローソンでは3〜5月前半に袋麺・乾麺の需要が急増。特に4月にはPBのパスタが7割増となった。
新型コロナでテレワークが増え、自宅に居る時間が長くなると、さすがに簡便なカップ麺や冷凍麺では物足りなくなってくる。野菜や肉のような具材がしっかり入った袋麺や乾麺を調理しても、費やす時間は15分に満たないだろう。
食べ応えや健康を考えれば、少し時間の余裕ができると、ひと手間かけてアレンジして楽しめる袋麺や乾麺に回帰するのは当然の流れ。袋麺の調理を補助する野菜セット、レトルトのパスタ用ソースなども、数多く販売されている。
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