コロナ禍で乾麺・袋麺が“バカ売れ” 伏線は、朝ドラの「まんぷく」にあった長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)

» 2020年10月28日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

明星食品や東洋水産の戦略

 日清の傘下に入っている明星食品も、9月21日にラーメン専門店の味を追求した太麺の「麺神(めがみ)」シリーズ2種を、関東と甲信越で発売した。

 その他にも、東洋水産は「マルちゃん 正麺」シリーズで、9月7日に担々麺を発売。マルタイは8月24日に「博多一幸舎監修 豚骨ラーメン」を発売した。このように、お店の味に限りなく近い味を家庭で楽しめる袋麺の新商品が、今秋は幾つか登場している。

博多一幸舎監修 豚骨ラーメン(出所:リリース)

 サンヨー食品は、主力の「サッポロ一番」の腕利きシェフによるアレンジメニューを提供する店舗「サッポロ一番劇場@虎ノ門横丁」を、東京都港区にある虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー「虎ノ門横丁」に、9月25日〜10月10日の期間限定で出店した。

 “タベアルキスト”のマッキー牧元氏が監修し、自由が丘にあるイタリアン「mondo」の宮木康彦シェフと、銀座にある中華「Renge equriosity」の西岡英俊シェフが、サッポロ一番のポテンシャルを引き出す、かつてない試みであった。

モンサンミッシェル産ムール貝の混ぜそば。宮木シェフの作(出所:リリース)
天然真鯛の松茸ラーメン(冷製)。西岡シェフの作(出所:リリース)

 ランチタイムには、西岡シェフの「天然真鯛の松茸ラーメン」他5種、宮木シェフの「モンサンミッシェル産のムール貝の混ぜそば」他4種のメニューを提供している。

 ディナータイムには、春巻きやテリーヌなどに変貌したサッポロ一番の麺とスープが登場。ワインと堪能するコース料理を提案している。

 これらは、新商品を店の味に近づけるのでなく、既存の商品を店の品質で出す、新しいアプローチといえるだろう。

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