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» 2020年11月05日 10時00分 公開

ここがヘンだよ「Go To Eat」:“トリキの錬金術”は他でも起きていた Go To Eatオンライン予約事業は「税金の無駄使い」 (1/4)

日本フードサービス協会には、複数の会員企業から「鳥貴族と同じような状況が起きている」と報告があった――。ある単価の高い喫茶店では、コーヒーとケーキなどで客単価が1000円を超える想定だったものの、予約して来店した客が600円程度のコーヒーだけを飲んで帰るケースが多発。「Go To Eat」オンライン予約事業の現状と問題点を報じる。

[田中圭太郎,ITmedia]

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、飲食店などを支援する目的で実施されている「Go To Eatキャンペーン」。しかし、本当に困っている飲食店のためになっていないのではないかと、飲食業界が異を唱えている現状は、関連記事「“トリキの錬金術”や“無限くら寿司”で課題噴出 Go To Eatが飲食店事業者を救わない、これだけの理由」でレポートした。

 「Go To Eat」には、ポイントが付与されるオンライン飲食予約事業と、プレミアム付き食事券事業の2つがある。このうち、オンライン飲食予約事業に対しては「税金の無駄遣いだ」との声が挙がっている。今回はオンライン予約事業の現状と問題点を報じる。

phot “トリキの錬金術”は他でも起きていた

“無限くら寿司”が話題だが……

 回転寿司チェーン大手のくら寿司が、10月19日からオンライン飲食予約事業に参加したことが大きな話題になっている。なぜ話題になっているのか。その理由は、予約サイトを通じて予約・来店すればポイントがもらえる点は、この事業に参加している他の飲食店と同じであるものの、ポイントを使って食事すると、またポイントが付くからだ。

 2人以上でオンライン予約をすることが条件で、ディナーの場合、2人で2000円以上の飲食をすれば2000円分のポイントが付く。この2000ポイントを使って、オンライン予約をしたうえで2000円以上の食事をすると、また2000円分のポイントが付くことになる。

phot 「くら寿司」のWebサイト上に示されている家族3人で予約して「Go To Eat」キャンペーンを利用したケース(「くら寿司」のWebサイトより)

 くら寿司は、過去最速で興行収入100億円を突破(その後公開17日間で157億円を突破)した映画『劇場板「鬼滅の刃」無限列車編』の公開記念コラボキャンペーンを10月31日まで展開。獲得したポイントで食事をするとまたポイントがもらえる無限ループの状況が、映画のタイトルにもかけて「無限くら寿司」と呼ばれるようになった。

phot くら寿司は映画『劇場板「鬼滅の刃」無限列車編』とコラボ。獲得したポイントで食事をするとまたポイントがもらえる無限ループの状況があり、映画のタイトルと「無添くら寿司」とをかけて「無限くら寿司」と呼ばれるように(同社のWebサイトより)

 くら寿司の広報によると、鬼滅の刃のコラボとの相乗効果もあると考えられるが、「予約は普段よりも入っている」という。

 ポイントを利用した食事にもポイントが付けば、利用者は1人あたり1000円分の飲食をずっと無料でできることになる。くら寿司にとっても消費者にとってもメリットはある。

 この無限ループには、同じ回転寿司チェーン大手のかっぱ寿司も10月30日から参戦した。かっぱ寿司は1人の予約でも利用が可能だ。オンライン飲食予約事業は、一部では過熱しつつあり、今後も利用できる店は増えていく可能性がある。

 しかし、問題はこのメリットを、すべての飲食店と消費者が得られるものになっていない点だ。「Go To Eat」のオンライン飲食予約事業には、616億円という多額の税金が投入されている。特に、本来救済されなければならない飲食店が、公平に恩恵を受けられていない点は、疑問視せざるを得ない。

phot オンライン飲食予約事業には、616億円という多額の税金が投入されている(事業の概要、農林水産省のWebサイトより)
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