「Go Toキャンペーン」は令和2年度補正予算で総額が1兆6794億円にのぼる。当初は経済産業省がトラベルやEatなどを一括して扱う方針だったが、民間事業者への運営委託費が3095億円にのぼることなどから批判を浴び、トラベルは国土交通相、Eatは農林水産省に分割された。
しかもEatは、計画段階では予算のほとんどをオンライン飲食予約事業だけで使う方針だったことを「“トリキの錬金術”や“無限くら寿司”で課題噴出 Go To Eatが飲食店事業者を救わない、これだけの理由」で指摘した。予算が農林水産省に移ったにもかかわらず、飲食業者とも生産者とも関係がない、予約サイト事業者に利益をもたらす構造は変わらなかった。
そして、予約サイト事業者以外で得をしているのは、飲食店よりもむしろ、PCやスマホを使いこなせて、いち早く情報を得てポイントを稼ぐことができるごく一部の人たちだけではないだろうか。民間の事業者が自らの事業として客にポイントを付与するのであれば何ら問題はない。だが、「Go To Eat」の原資は税金だ。同協会はオンライン飲食予約事業に問題があるのだとすれば、見直しが必要だと考えている。
「中小の飲食店でもオンライン予約は導入していないところが多いです。高齢の店主さんは使いこなせない人がほとんどではないでしょうか。結局使われるのは首都圏だけで、全体から見ればごく一部の店です。食事券事業はまだ効果があるかもしれませんが、オンライン予約によるポイント付与は、税金の無駄使いでしかないでしょう」
総額1兆6794億円にのぼる「Go Toキャンペーン」。「Go To Eat」は「感染予防対策に取り組みながら頑張っている飲食店を応援し、食材を供給する農林漁業者を応援する」ためのものと本当に言えるのか?(農林水産省のWebサイトより)田中圭太郎(たなか けいたろう)
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで警察不祥事、労働問題、教育、政治、経済、パラリンピックなど幅広いテーマで執筆。「スポーツ報知大相撲ジャーナル」で相撲記事も担当。Webサイトはhttp://tanakakeitaro.link/。著書に『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)
“トリキの錬金術”や“無限くら寿司”で課題噴出 Go To Eatが飲食店事業者を救わない、これだけの理由
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