――東京五輪の開催も予定され、訪日旅行者もいずれ受け入れが始まる。欧米では感染者数が日本とは比較にならないほど多いが、これはどう考えればいいか?
おそらくウイルスの毒性は同じもので、特別に強いウイルスが持ち込まれるリスクは少ないと思う。感染が広がっている欧米は、そもそも三密回避などの対策が徹底できていないことが感染拡大につながっている。欧米は個人の自由が尊重されるので、感染症対策の徹底は、コロナに限らずやりにくい。
他方アジア圏は、例外はあるものの、比較的コロナを抑え込めている国が多い。中国、韓国、シンガポールなどを筆頭に、感染症対策を国家が介入して徹底できる。感染を広めないという点では、こういった統制された国のシステムが有効に働いている。
――グローバルな行き来が再開された際に、問題となることは?
お酒の飲み方、パーティー文化など、国による習慣の違いから感染リスクが高まったり、症状がでた場合に、言葉の壁や保険の違いから病院に行かないなどは問題になると考える。特に旅行者は行動が読みにくく、接触者の追跡が難しい。ビジネスや留学目的から受け入れが緩和されている背景には、行動がある程度把握でき、万一の際も感染拡大を食止めやすいこともあるだろう。
今後は、三密回避をどう海外の人に徹底してもらうか、行動の追跡をどのようにするのか、医療へのアクセスをどのようにするかなどを検討することが重要になる。
――東京五輪は、関係者・選手団については、ビジネス同様に受け入れることはできるか?
出入国時にPCR検査を行い、水際の対策を行うこと。さらに関係者・選手団について三密回避の徹底などを、各自が責任をもって対応することで、受け入れることは可能だと思う。医療団もついてくるだろうし、選手もかかりたくないから、むちゃな行動は慎むだろう。ただそうはいっても、世界の流行状況によるところはやはり大きい。また、一般の旅行者については、先に伝えた懸念もあり課題クリアのハードルが上がる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング