攻める総務

FAX廃止、受付電話廃止、代表電話は外注 なぜマネーフォワードは総務部を解体したのか?アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/3 ページ)

» 2020年11月27日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

FAX廃止、受付電話廃止、代表電話は外注に

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 コロナ禍が大きく影響したのが、オフィス管理に伴う業務だ。来客向けの飲料の補充、ゴミ箱の回収や会議室の清掃にともなう外注先の管理など、オフィスを快適に運営するためには細かな作業がいろいろとある。同社は部署ごとにコミュニケーションのための出社日を設けてはいるが、リモートワークを推奨しており、これはコロナが収束しても全く元には戻らないと坂氏は見る。

マネーフォワードの新しい三田オフィスの執務室(マネーフォワード提供)

 「DX(デジタルトランスフォーメーション)は不可逆だ。出社を前提とする業務を、出社しなくてもできるようにするのは変わらない。企業が学んだのは、コロナみたいなことが起きること。何年かに一回は、出社できない状況が起きる。いかにオフィスに来なくても事業を継続させるかだ」(坂氏)

 コロナを機に、ドラスティックに運用を変えたものもある。FAXと受付電話、代表電話だ。FAXは、そもそも誰かが出社していないと意味がない。こちらは廃止を決めた。受付の電話もそうだ。コロナ禍にあって、来客は必ずアポイントメントを取ってやってきている。そのため、受付のシステムで来客のあった人にチャットのメッセージを飛ぶように変えた。

 代表電話も外注に出した。リモートワークが増えるなか、代表にかかってきた電話を、内線で回すことは難しい。折り返しの電話にするのであれば、社外の人が受けてもあまり変わらない。そんな判断だ。そもそも、代表にかかってくる電話の8割は営業電話。これは代表電話を取ったことがあれば、実感するところだろう。そして1〜2割が役所からになる。

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