新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、業務の進め方を見直す企業が増えている。営業、在宅勤務、出張の是非、新たなITツール活用――先進的な取り組みや試行錯誤をしている企業の事例から、仕事のミライを考えていく。
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コロナ禍は一過性の出来事にとどまらず、企業の組織体系自体にも影響を与えてきている。リモートワークの定常化、オフィスの縮小などをよく聞くが、組織自体を変え、総務部を解体した企業がある。フィンテック企業のマネーフォワード(東京都港区)だ。
もともと“庶務”機能としての総務部をなくそうという構想を持っていたが、「コロナが最後に後押しした。コロナのきっかけはかなり大きい」と、組織改編を主導した管理本部長の坂裕和取締役は言う。
総務部という部署で、オフィス管理、庶務、固定資産管理などの業務を行っていたが、徐々に各総務機能を切り出し、専門部署に業務を分割。10月には総務担当部署を廃止した。
例えば、オフィス設備は情報システム部に相当するCIO室に移管した。「今は、オフィスを作るときに情報システム部門がメインになっている。こちらを主管にして、周りを巻き込んだほうが業務効率がいい」(坂氏)という考えだ。同様に、PCの管理が主となる固定資産管理もCIO室に移した。
ストックオプションの管理や株式管理も、多くの企業では総務部が行っていることが多いが、人事本部が取り扱うように変えた。福利厚生の一環として捉えられることと、住所変更などの手続きが必要になるため、それらの情報を管理している人事が適任という考えだ。
文具などの消耗品の購買は、各部署に任せる形を取った。以前であれば、まとめて注文して在庫を持ち、随時補充したほうが効率がよかったが、企業向けECが発達した昨今では、Amazonもアスクルもある。部署ごとに必要に応じて発注するほうが、手軽になってきている。
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