制作費を半分以下に? 100万回以上再生された「ジョブカン」CMの裏側哀川翔さん、手越祐也さん起用(2/4 ページ)

» 2020年11月28日 08時00分 公開
[岡のぞみITmedia]

社外調整がなくなり時間短縮

――今回のキャストは、どのように決められたのでしょうか?

千田: 哀川さんは、当社の他サービスでお付き合いさせていただきました。認知度調査をしたところ、99%が「哀川さんの名前も顔も知っている」という結果が出たので、お願いしました。もう一人は、哀川さんと違う層にリーチできると考えて手越さんに決めました。

青木: 8月初旬に「CMをやりたい」と話して、哀川さんと手越さんのスケジュールを調整して、撮影日は9月22日。放送は10月1日スタートなので、「編集期間は1週間やん!」って(笑)。でもテレビだと、5日後に放送する番組を3日くらいでやらなきゃいけないこともあるので「できる!」と思いました。

撮影日まで、台本には余白を残す

――それは通常の番組の話ですよね。CMだと中々そういうわけにはいかないのでは?

井上: 通常だと実現できないと思います。いろいろな会社が関係するので、調整がありますし。今回は基本内製ですので、調整する時間が不要でした。

青木: 直前まで内容が定まらないこともありました。通常のCMだと直前の変更って、NGなんですよね。「決まっているのに、なぜ変えるのですか?」といった声が出てくるのですが、撮影の直前まで対象することに。

井上: より良くしていくために、「こっちのセリフのほうがいいよね」といった形で、台本を変えていきました。撮影の一週間前、細かいところは決めないまま余白を残していました。キャストのテンションに合わせて、現場のノリで演じてもらう部分もありました。

 例えば、振り返って「ジョブカン」というシーンがあるのですが、大まかな演出は決まっていました。ですが、手越さんに「もっとふざけていいですよ。面白いの、なんかちょうだい」と言って、お願いしました(笑)。で、最後に「改革だー」と叫ぶシーンを入れたり、手越さんの「テイッ」を入れてみたり。視聴者が面白がってくれるのでは? というポイントを現場で入れていきました。見ている人が「面白い」と感じることは“礼儀”だと思っているので、私たちは常にその努力をしなければいけません。

 あと、ジョブカンの承認画面で副部長の名前が「田中エマ」になっているのですが、エマちゃんは手越さんの愛犬の名前なんですよね。承認時間「11月11日10時54分」というのは、手越さんの誕生日11月11日と、テ(10)ゴシ(54)。これ見た人気付くかな? と思って、密かに楽しんで編集していました。

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