22年卒学生に聞いた「就職人気企業ランキング」 コロナ禍で明暗、トップは3年連続で……食品、出版の人気が上昇

» 2020年12月21日 12時30分 公開
[ITmedia]

 就職情報サービスを手掛ける学情が12月21日、2022年に大学・大学院を卒業予定の学生を対象とした「就職人気企業ランキング」を発表した。トップは3年連続で伊藤忠商事だったが、上位の顔ぶれはコロナ禍の影響で変動。巣ごもり需要を取り込む食品メーカーなどの人気が高まった一方、航空・旅行業界は順位を下げた。

2022年卒の就職人気企業も、コロナ禍の影響を受けている

 総合商社でも新型コロナウイルスの影響は大きい。しかし、3年連続トップとなった伊藤忠商事は、減収が目立つ資源・エネルギー以外の分野にも強く、20年4〜9月期の純利益が他の総合商社を上回っている。

 2位は味の素、3位はアサヒ飲料と、食品メーカーが並んだ。味の素は前年の3位、アサヒ飲料は6位からさらに順位を上げた。その他、食品メーカーではロッテが8位(前年12位)、サントリーグループが12位(前年39位)、日清食品が14位(前年24位)と、順位を上げた企業も目立つ。

 また、順位を大きく上げたのがイオン。前年の76位から、10位に躍り出た。食品メーカーやスーパーなど、「コロナ禍での『巣ごもり消費』をけん引した業界に、学生の人気・支持が集まっていることが分かる」(学情)。

 他にランクアップしているのが出版やゲームの業界。4位の講談社は前年の28位から大きく順位を上げた。また、「あつまれ どうぶつの森」が話題を集めた任天堂は6位(前年9位)、大ヒットした「鬼滅の刃」の集英社は11位(前年21位)、KADOKAWAも16位(前年26位)に入った。

 一方、新型コロナの影響が現在も波及している航空・旅行業界の企業は順位を下げている。例年人気が高いJTBグループは9位(前年2位)。依然として人気は高いものの、11月下旬には22年度の新卒採用を見送ることを発表しており、志望企業を再考する学生が多くなるとみられる。近畿日本ツーリストは23位(前年22位)、エイチ・アイ・エスは35位(前年5位)、全日本空輸(ANA)は79位(前年16位)、日本航空(JAL)は88位(前年52位)だった。また、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも、前年の10位から順位を落とし、54位だった。

2022年卒学生対象「就職人気企業ランキング」1〜30位(=学情調べ)

 調査は6月1日〜12月6日の期間、同社主催のイベント来場者や就職情報サービス登録者に対してWebアンケート形式で実施。22年3月卒業予定の大学3年生と大学院1年生計7675人が回答した。

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