ココカラファインがD2Cの旗艦店で仕掛ける”顧客誘導戦略”とは?20〜30代の女性をターゲット(2/3 ページ)

» 2020年12月24日 16時30分 公開

「新宿に来ている・働いている20代女性」をペルソナに設定

 東京新宿三丁目店の店舗づくりにあたって、ココカラファインでは顧客のメインターゲットを想定して「新宿に来ている・働いている20代の女性」というペルソナを設定した。ペルソナを想像しながら、品ぞろえと商品の配置を考えたという。

 「この店舗は従来のドラックストアのカテゴリーにはとらわれない商品を取りそろえています。女性が自分力を高める場所にできればと考えました。20代から30代の女性に人気がある商品をセレクトしていますので、デートや女子会の待ち合わせ場所として立ち寄っていただければと思っています」(向井さん)

 2階以上のフロアもそれぞれ特徴を持つ。2階は都市型の生活に密着した商品をそろえ、Amazonの商品を受け取ることができるAmazon Hub ロッカーや、インバウンド客のためのコインロッカーも用意した。「Amazonロッカーは、帰宅前に店舗に立ち寄って荷物をピックアップするという、生活動線の一部に店舗を取り込んでもらう仕掛け」(向井さん)だという。

phot 「Amazonロッカーは、帰宅前に店舗に立ち寄って荷物をピックアップするという、生活動線の一部に店舗を取り込んでもらう仕掛け」

 3階には各メーカーのメーク商材を中心に取りそろえ、気になる化粧品をすぐに試せるパウダースペースも設置した。

phot 3階には各メーカーのメーク商材を中心に取りそろえた
phot 気になる化粧品をすぐに試せるパウダースペース

 4階は20代から30代に加え、40代の女性も意識して、高機能のヘアケアやナチュラル系、オーガニック系のスキンケアを販売している。美容院などでしか販売していないシャンプーなどを、この店で販売しているという。興味深いのは100円以内の値段でお試し的な商品を販売していたことだ。「高価格のため購入を躊躇(ちゅうちょ)するお客さまにも使っていただきたいため」(向井さん)だという。

phot 4階は20代から30代に加え、40代の女性も意識して、高機能のヘアケアやナチュラル系、オーガニック系のスキンケアを販売している
phot 100円以内の値段でお試し的な商品を販売していた
phot

「新しい体験と発見」ができる情報発信基地

 オープンに先駆けて、前日の12月17日には記者発表会と内覧会のイベントが開催された。塚本厚志社長はあいさつで、東京新宿三丁目店のコンセプトを次のように表現した。

 「新しい体験、発見をストアコンセプトとして、美と健康、楽しい生活をテーマに、さまざまな発信をしていきたい。皆さんの心と体のファインな生活のお手伝いができる情報発信基地としてオープンします」

phot 記者発表会に参加したタレントのゆきぽよさん。店内を見た感想を「ドラッグストアと思えないくらいきれいできらびやかな店舗で、来るだけでテンションが上がりますし、買いたくなります」と表現した
phot 日ごろからドラックストアを訪れるというざわちんさんは、「ドラッグストアの中にはものを探しにくい店がある一方、この店舗は入った瞬間にどこに何があるのか分かりやすい」と、通常のドラッグストアとは異なる商品の見せ方に驚いていた

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.