2021年はオンライン初詣 密を避ける試み、オンライン投げ銭も「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(1/2 ページ)

» 2020年12月26日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵:

 「人が集まる」「人に直接会う」ことで稼いできた企業が、新型コロナを契機に自社戦略の見直しを迫られている。どのようにして「脱・3密」や「非接触」を実現し、ビジネスチャンスを生み出そうとしているのか。

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 クリスマスを過ぎれば街は一気にお正月モードへ変わる。例年、初詣に行く人も今年はなかなか行きにくい。特に昨今の報道に鑑みると、3密がほぼ確定的な場所へ出かけて行って、コロナに罹患(りかん)するようなことがあっては何のための初詣か分からない。

 コロナで不安な時期だからこそ、初詣をしたいのだが、かといって密になることも避けたい。相反する問題を解決したい人々の期待に応える方法はないものか。もちろん寺社の側では初詣参拝者の大幅なダウンが予想される状況でもあり、こちらにとっても深刻な問題である。

日本参拝史上初のオンライン初詣

 そんな中で、オンラインライブによる初詣という新たなビジネスを立ち上げた会社がある。運営元の和空プロジェクト(大阪市)は、「オンラインでの初詣は、参拝史上初の試み」と胸を張る。

毘沙門天オンライン初詣

 実施する寺院は、信貴山真言宗総本山 朝護孫子寺(奈良・平群町)と天台宗根本山 神峯山寺(大阪・高槻市)の2寺院だ。

 この2寺院は二大毘沙門天として知られている名刹(めいさつ)だ。毘沙門天は七福神、四天王として、厄除け・武運長久・金運財運の守護神で、聖徳太子の時代に始まり、戦国武将からも広く信仰を集めてきた。信貴山城といえば日本史上の梟雄(きょうゆう)として知られる松永久秀が、茶道具の名器平蜘蛛を抱いて爆死したといわれる伝説の地でもある。

神峯山寺「毘沙門護摩祈願」(和空プロジェクト)
信貴山朝護孫子寺「大般若祈祷」(和空プロジェクト)

 それぞれの寺の縁起としては、言い伝えによれば、朝護孫子寺は、日本で最初に毘沙門天が出現したと言われる地であり、神峯山寺は、日本で最初に毘沙門天像を祀(まつ)った寺院とされる。

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