中神: そのポテンシャルを引き出して、日本の宇宙ビジネスをドライブさせるには、どのような要素が必要でしょうか。
堀江: まずは資金調達ですね。僕らはもちろん利益を得られるようになると思っていますが、それを信じて多額の投資をする人は、決して多くはないですよね。
中神: 資金調達は、個人投資家からが多いですか。
堀江: 会社を上場させてEXITした創業者など、個人投資家の割合が大きいですね。その他には北海道の地場銀行を中心としたベンチャーキャピタルや、丸紅のようなISTのパートナーの会社が多いです。
資金調達以外で必要なのは、人の流動性です。やはり保守的と言いますか、ベンチャー企業に就職すること自体を、いろいろな要素において忌避する傾向があります。合理的な行動ではないと思いますが、大企業の方がなんとなく安心だという風潮がありますよね。どうですか、稲川さん。
稲川: 人材の流動性は、若い人は少しずつ変わってきているかなという気はします。採用活動でいろいろな人と話をさせてもらう中で、「大企業って本当に安心なんだっけ」と考える人は増えています。
一方で、米国の企業で働いていた人は、ステップアップのためや、自分がやりたいことのために転職することは当たり前の感覚です。日本人がもっとそうなれば良いなと思います。
日本が変わってこなかったのは、新しい産業があまり立ち上がってこなかったことも影響しているのではないでしょうか。日本の成長産業をつくらない限り、人材の流動性も起きてこないので、そこを宇宙産業が担えたら良いのかなと思っています。
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