アパレル業界といえば、コロナによるダメージを直に受けている業界の1つ。インバウンド消費が無くなり、国内においても外出自粛の影響で、服を買う機会が減り、リモートワークが急速に進んだことで、スーツや革靴の需要が落ち込み、女性は、化粧品やバッグなどいわゆるオフィス需要が減少、業界全体が危機に直面している。
大手アパレルは、かつての旗艦ブランドを廃止する企業も出てきた。ワールドは約350店舗、TSIホールディングスは約200店舗、三陽商会は約160店舗、オンワードホールディングスは20年2月に700店舗閉鎖したばかりだが21年2月にも700店舗を閉鎖することを発表。以前から業績が低迷していたところに、コロナが追い打ちをかける結果となった。
多くのアパレルが苦しんでいるなか、好調だったのは、ワークマン。売上高前年比は、20年第1四半期22.3%増、同第2四半期14.7%増。その好調な理由は何だったのか。まず考えられるのは、ワークマンの店舗の多くが、郊外のロードサイド立地であるため、商業施設の休業や都心への外出控えの影響は最小限で済んだこと。店舗を開け続けたことで、他の店は閉まっていて買えないという人も呼び込んだ。
また、コロナ禍でも事業が止まることのない社会インフラに携わるプロ向けの商品を扱っていること、それに加えて、18年から展開している新業態ワークマンプラスの影響もあるだろう。
同ブランドは、従来のプロ向けではない一般客をターゲットにしており、防寒、防風や火の粉に強いなど同社の強みである機能性をプラスしたカジュアル商品を低価格で提供。プロと一般客という重複しない需要を取り込んでいる。商品ラインアップの充実だけでなく、SNSやインフルエンサーを活用した情報発信を行い、外出自粛しているターゲット層に対して、Eコマースでの買い物体験を促した。
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