ソフトバンク、KDDIとの頂上決戦  NTTドコモの新プラン「アハモ」担当者に狙いを聞いた55万人超えの申し込み(3/5 ページ)

» 2021年02月04日 18時12分 公開
[中西享ITmedia]

auはトッピング方式

 ソフトバンクの新プランはドコモとほぼ同様の内容ながら、LINEの利用をデータ通信量にカウントしないとしていて、LINEを多用する利用者にとっては好条件になる。3社の中で最後に出してきたauのKDDIは、5分以内の通話をオプションとすることで、他社より500円安い価格を打ち出した。

phot 割引条件なしで月額2480円、20GBというシンプルな料金設計(KDDIのWebサイトより)

 通話を利用したい人には、月額500円で5分までの国内通話が無料で利用できる「5分以内通話かけ放題」をオプションで提供する。このほかで他社と違うのは、200円で24時間データ通信が無制限で利用できる点だ。auは通話やデータ使用など使い方に合わせて必要なサービスメニューを追加するトッピング方式を取っている。

 この方式について武田総務相は「(KDDIの発表は料金内容が)非常に紛らわしい」とコメントし、その後も「最安値という言葉を使ったのは消費者に誤認を導く」と批判した。つまり他社より月額500円安い価格としているものの、オプションの「5分以内の通話かけ放題」を追加すると、ドコモと同じ料金になる。この部分を「消費者に誤認を導く」とみるかどうかは利用者の判断になりそうだ。

phot povoの主な特徴(KDDIのWebサイトより)

あえてシンプルな設計に

 携帯電話の料金は、基本料金は安くてもショップで契約手続きに入ると、いくつものオプションサービスを付けられて、最終的な仕上がりの料金は割高になることが問題視されてきた。

 NTTドコモの高山氏は話す。

 「『アハモ』は基本計画の段階からシンプルさを強調していた。使う側もどういうサービス内容が自分に適しているのか分からない面がある。このため、これだけのサービス内容があれば大丈夫だという『オールインワン』の形のシンプルなものにした。auのトッピング方式については、必ずしも多くの選択肢があることがユーザーにとって分かりやすいのかどうかという点もあり、『アハモ』ではこれを選んでおけば問題ないというシンプルさをあえて追求した」

 ただ、auのオプションサービスで「200円で24時間データ通信が無制限で利用できるサービスは面白い」と関心を示した。

 NTTの完全子会社となったNTTドコモのトップには昨年12月に井伊基之社長が就任した。井伊社長は読売新聞のインタビューで「1カ月で55万人の『アハモ』予約申し込みがあった」と述べている。この点について高山氏は、現状を好感している。

 「当初見込んでいた数字を相当数超えていて、かなりの手応えを感じている。申し込み者の年代を見ると、ドコモのいまのボリュームゾーンである30代から50代までのファミリー世代よりも若い世代が増えている。若い世代の契約比率が増えてくれれば、5〜10年後もドコモ利用者を増やせる。狙った通りの結果になっている」

phot 記者会見で壇上に上がったNTTドコモの井伊基之社長
phot 楽天モバイルが発表した他社プランとの比較

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