「GO TO トラベル」を再開するなら、休祝日の前当日は対象外とせよ懸念の声も(1/3 ページ)

» 2021年02月14日 07時05分 公開
[日沖博道INSIGHT NOW!]
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日沖博道氏のプロフィール:

 パスファインダーズ社長。30年にわたる戦略・業務コンサルティングの経験と実績を基に、新規事業・新市場進出を中心とした戦略策定と、「空回りしない」業務改革を支援。日本ユニシス、アーサー・D・リトル等出身。一橋大学経済学部、テキサス大学オースティン校経営大学院卒。日本BPM協会アドバイザー。


 緊急事態宣言の解除が視野に入ってきたが、同時にGO TOキャンペーンの再開の是非が議論になるだろう。再開が感染拡大の第4波につながる懸念を口にする人も少なくない。

 それでも小生は、日本経済の底割れ回避のためにはGO TOというカンフル剤も必要だという意見に与したい。特に地域経済の実態として観光に依存している比重が大きいため、GO TO トラベルの再開を待ちわびる地方の人々の気持ちは痛いほど分かる。

 しかし再開は無条件でというわけにはいかない。キャンペーンが感染再拡大に直結してはならないし、所詮は税金投入なので金額的に無尽蔵でなく、費用対効果を厳しく求めるべきだ。

 その意味からも、GO TO トラベルを再開するなら、ぜひ付け加えてほしい条件がある。それは「休祝日の前日・当日は対象外とする」ということだ。いわゆるピーク時の利用をあえて対象から外せという話だ。

 ちょっと聞くだけでは乱暴な条件に聞こえるかもしれない。なんといっても、この条件では幼稚園児から高校までの生徒を抱える家族のキャンペーン利用は難しく、彼らは「不公平だ」と大いに不満の声を上げるだろう。しかし政策目的を取り違えてはいけない。GO TO トラベルの政策目的は「観光業の底支え」であって、「国民全般のレジャー促進」ではない。彼ら子育て家族の不公平感は別の政策で解消してもらえばよいと考える。

 ではなぜこうした条件付けが必要なのか。それにはまず、武漢ウイルス感染拡大の第三波が声高に警戒されるようになる前の状況を思い出してほしい。

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